バジルサイト管理人によるバジル好きのためのブログ。 バジルに関する短編小説やイラスト、萌え語りなどを載せています。
今日もみんなでバジってこーぜ。
にゅーーーーーふぇいすなさくらさんより頂きましたお題、セーラー!
確実にさくらさん好みでは無さそうな残念なセーラー話でいきます。
=================
セーラー 10年後ツナバジ
彼の事を、沢田綱吉は良く知っていた。
また、彼も沢田綱吉・・・ボンゴレ10代目の自分の事を良く知ってくれている。
長い付き合いなのだ。そう、長い。もし・・・こんな道に歩まず、極々平凡に日本で暮らしていたならばきっと一生出会うことは無かったであろう、相手。
でも、今は・・・掛け替えの無い何年分もの記憶がある。彼と築き上げてきたものが沢山ある。
その昔に京子は言った。ツナと、彼・・・バジルは双子のようだと。
確かに、まだ幼い時分の二人は似ていた。何がどう、というのではないけれど・・・。
そんな風にして育ってきたのだから、彼がどんな人間かツナは良く知っていた。
そして、その人間性に反してどんなに恐れられているかも知っている。下手をすれば、ボスである自分以上に・・・ファミリーの外からは恐れられる存在。
ボンゴレ門外顧問として君臨する彼が、酷く和やかで穏やかな人間だということをツナは長い付き合いの中で良く把握しているが・・・
その青い切れ長の目と美しい長髪、抜けるような白い肌。
一見して女性と見紛うような柔らかな美貌のままに、寸分の躊躇いも見せずにボンゴレに仇なす存在を消し去る様がきっと・・・余りに相反した印象を与えるが故に、彼は必要以上に恐れられていた。
あまり喋らないこともその要因だろう。人見知りをするわけではないのだが、昔から何処か自分を一歩引いたように見ているところと日本人以上に謙虚な性格のせいで、バジルは殆ど仕事の場で喋らない。
そのせいでより一層、バジルの性格は冷たいものに見られてしまう。
長年バジルを見てきたツナにとっては、バジルは生真面目で穏やかな人間で、全く冷たい、恐ろしい・・・という印象は与えないのだが・・・
その日、初めてツナの目は・・・バジルという数年来のパートナーを恐ろしいものとして認識した。
「・・・沢田殿、お目覚めですか・・・?」
いつものような、誤解を招く少ない言葉と切れ長の目。
ふわりとした印象だった幼い頃から比べ、大分鋭い印象になった彼が
何故か
そう、何故か・・・セーラー服を着ていた。
「・・・はい?」
得体の知れない存在を前に、ツナは思わず不躾に疑問符を投げた。
「・・・大丈夫ですか?体調不良でお休みになられたと伺ったものですから、差し出がましいとは思いつつお見舞いに参ったのですが・・・」
心配そうに眉根を寄せるのはとても様になるのだが。首から下を見なければ。
「・・・いや、あの・・・え、夢?」
「・・・沢田殿?」
本格的に心配そうな彼の瞳に映る自分を見て、現状を改めて思い出す。
そう、ここ数日同盟ファミリーの内部紛争の影響で慌しく・・・とうとう今日は寝不足が祟って足元がふらついたため、大事を取って休息としたのだ。
そんな自分を心配して、彼は見舞ってくれたのだろう。それはわかった。それは良い。ただ・・・
「・・・何で、セーラー服なの・・・?」
ただただ、シリアスな表情をしている彼の、表情(及び年齢・性別)に合わない服装が気になって仕方なかった。
如何にバジルが女性的な美しい顔立ちだとしても、・・・まだ幼い頃なら似合っただろう。でも流石にもう24歳の立派な成人男子。顔が女性的でも体格は男だ。それに、女性的だからと言ってセーラーが似合うとは限らない。・・・この厳しい涼しげな顔にセーラー服はあまりにミスマッチだった。見ていて悲しみすら湧いてくる。
「・・・セーラー服・・・と、言うのですか?」
「・・・・」
きょとん、としている彼の表情は、大人になった今でも本質が変わらないことを示していて。
それを可愛らしくも思いつつ、何故こうも学習しないのだろうかと溜め息が出てしまう。
あぁ、もう、全く!
「・・・今度は誰に何を教わってきたの」
「はい、親方様とリボーンさんとディーノ殿に擦れ違いまして」
「また凄い面子だねそれ・・・」
「沢田殿のお見舞いへ行くといったところ、この服は日本に古来より伝わるお見舞いの正装で、この服で見舞えば回復祈願にもなるとお聞きしたものですから・・・それで、如何にかして手配しなければと思っていたところ、ディーノ殿が拙者用のサイズを持っているとの事で快く貸して下さったのです。」
何故ここで彼は、体格の違う彼が自分用のサイズを持っていることに疑問を覚えないのだろうかと今更に嘆く。
「・・・そう・・・」
若干、体調不良も相まって疲れきった返事を返したところで、基本的に相手の反応を気にしない(所謂空気が読めないというやつだ)バジルはにこにこと笑ってから、ツナの目をじっと見つめて。
「・・・沢田殿に、早く良くなって頂きたくて・・・」
究極の言葉と上目遣いをセットで投下。
あぁ、ほら。・・・だからみんな知らないんだ。
切れ長の目。鋭い眼差し。でも、彼の中身はこんなにも
「・・・ありがとう、バジルくん。・・・でも次からはもう少しその3人は疑った方が良いからね。」
「?」
きょとん、と小首を傾げる愛すべき恋人の額を指で突いた。
可愛くて可愛くて堪らない君よ、
お願いだからオレ以外の男に騙されないでよね!
周りが恐れる門外顧問殿は、彼ら嘘吐きの愛すべきカモなのだ。
============
10年後バジル・・・あんな相貌で皆に遊ばれてたら可愛いなぁと思います。
では次のお題・・・クロさん、過ぎちゃいそうですが・・・
「ホワイトデー」でお願いしますっ!
確実にさくらさん好みでは無さそうな残念なセーラー話でいきます。
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セーラー 10年後ツナバジ
彼の事を、沢田綱吉は良く知っていた。
また、彼も沢田綱吉・・・ボンゴレ10代目の自分の事を良く知ってくれている。
長い付き合いなのだ。そう、長い。もし・・・こんな道に歩まず、極々平凡に日本で暮らしていたならばきっと一生出会うことは無かったであろう、相手。
でも、今は・・・掛け替えの無い何年分もの記憶がある。彼と築き上げてきたものが沢山ある。
その昔に京子は言った。ツナと、彼・・・バジルは双子のようだと。
確かに、まだ幼い時分の二人は似ていた。何がどう、というのではないけれど・・・。
そんな風にして育ってきたのだから、彼がどんな人間かツナは良く知っていた。
そして、その人間性に反してどんなに恐れられているかも知っている。下手をすれば、ボスである自分以上に・・・ファミリーの外からは恐れられる存在。
ボンゴレ門外顧問として君臨する彼が、酷く和やかで穏やかな人間だということをツナは長い付き合いの中で良く把握しているが・・・
その青い切れ長の目と美しい長髪、抜けるような白い肌。
一見して女性と見紛うような柔らかな美貌のままに、寸分の躊躇いも見せずにボンゴレに仇なす存在を消し去る様がきっと・・・余りに相反した印象を与えるが故に、彼は必要以上に恐れられていた。
あまり喋らないこともその要因だろう。人見知りをするわけではないのだが、昔から何処か自分を一歩引いたように見ているところと日本人以上に謙虚な性格のせいで、バジルは殆ど仕事の場で喋らない。
そのせいでより一層、バジルの性格は冷たいものに見られてしまう。
長年バジルを見てきたツナにとっては、バジルは生真面目で穏やかな人間で、全く冷たい、恐ろしい・・・という印象は与えないのだが・・・
その日、初めてツナの目は・・・バジルという数年来のパートナーを恐ろしいものとして認識した。
「・・・沢田殿、お目覚めですか・・・?」
いつものような、誤解を招く少ない言葉と切れ長の目。
ふわりとした印象だった幼い頃から比べ、大分鋭い印象になった彼が
何故か
そう、何故か・・・セーラー服を着ていた。
「・・・はい?」
得体の知れない存在を前に、ツナは思わず不躾に疑問符を投げた。
「・・・大丈夫ですか?体調不良でお休みになられたと伺ったものですから、差し出がましいとは思いつつお見舞いに参ったのですが・・・」
心配そうに眉根を寄せるのはとても様になるのだが。首から下を見なければ。
「・・・いや、あの・・・え、夢?」
「・・・沢田殿?」
本格的に心配そうな彼の瞳に映る自分を見て、現状を改めて思い出す。
そう、ここ数日同盟ファミリーの内部紛争の影響で慌しく・・・とうとう今日は寝不足が祟って足元がふらついたため、大事を取って休息としたのだ。
そんな自分を心配して、彼は見舞ってくれたのだろう。それはわかった。それは良い。ただ・・・
「・・・何で、セーラー服なの・・・?」
ただただ、シリアスな表情をしている彼の、表情(及び年齢・性別)に合わない服装が気になって仕方なかった。
如何にバジルが女性的な美しい顔立ちだとしても、・・・まだ幼い頃なら似合っただろう。でも流石にもう24歳の立派な成人男子。顔が女性的でも体格は男だ。それに、女性的だからと言ってセーラーが似合うとは限らない。・・・この厳しい涼しげな顔にセーラー服はあまりにミスマッチだった。見ていて悲しみすら湧いてくる。
「・・・セーラー服・・・と、言うのですか?」
「・・・・」
きょとん、としている彼の表情は、大人になった今でも本質が変わらないことを示していて。
それを可愛らしくも思いつつ、何故こうも学習しないのだろうかと溜め息が出てしまう。
あぁ、もう、全く!
「・・・今度は誰に何を教わってきたの」
「はい、親方様とリボーンさんとディーノ殿に擦れ違いまして」
「また凄い面子だねそれ・・・」
「沢田殿のお見舞いへ行くといったところ、この服は日本に古来より伝わるお見舞いの正装で、この服で見舞えば回復祈願にもなるとお聞きしたものですから・・・それで、如何にかして手配しなければと思っていたところ、ディーノ殿が拙者用のサイズを持っているとの事で快く貸して下さったのです。」
何故ここで彼は、体格の違う彼が自分用のサイズを持っていることに疑問を覚えないのだろうかと今更に嘆く。
「・・・そう・・・」
若干、体調不良も相まって疲れきった返事を返したところで、基本的に相手の反応を気にしない(所謂空気が読めないというやつだ)バジルはにこにこと笑ってから、ツナの目をじっと見つめて。
「・・・沢田殿に、早く良くなって頂きたくて・・・」
究極の言葉と上目遣いをセットで投下。
あぁ、ほら。・・・だからみんな知らないんだ。
切れ長の目。鋭い眼差し。でも、彼の中身はこんなにも
「・・・ありがとう、バジルくん。・・・でも次からはもう少しその3人は疑った方が良いからね。」
「?」
きょとん、と小首を傾げる愛すべき恋人の額を指で突いた。
可愛くて可愛くて堪らない君よ、
お願いだからオレ以外の男に騙されないでよね!
周りが恐れる門外顧問殿は、彼ら嘘吐きの愛すべきカモなのだ。
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10年後バジル・・・あんな相貌で皆に遊ばれてたら可愛いなぁと思います。
では次のお題・・・クロさん、過ぎちゃいそうですが・・・
「ホワイトデー」でお願いしますっ!
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初めまして
コメント自由に甘えまして、書き込みさせて頂いてます。
こちらのサイトへは以前からお邪魔させて頂いてまして、バジル作家様の素晴らしい作品を毎回堪能させて頂いております。
そして、今回の米犬さま作品の締めのお言葉。
『愛すべきカモ』と言う単語に、物凄く衝撃を受けまして、思わずコメントさせて頂いてしまいました。
何と言いましょうか、私の中にあるバジル像にぴったりと言いますか、しっくりと言いますか、この一言にバジルが凝縮された感じがとてもしまして、何て素敵な表現の仕方なんだ…と。
米犬さまの作品は今までのどの作品も、言葉運びや描写表現の仕方に感嘆しきりではあったのですが、今回のこの締めの言葉は本当に私の中で感嘆の衝撃が大きく、軽く震えが来た程でした(って書くと、何だかヤバい人みたいですね…)。
今回も素敵な作品を拝見させて下さりありがとうございました。
それから、ついでの形になってしまい、更にこの場での書き込みで大変申し訳無いのですが、南芙宮さまに質問がございます。
こちらのサイトへ、メンバー以外の者がリンクを貼らせて頂くと言う事は可能でしょうか?
以前から気になっていたのですが、かり。さまが抜けました今、どちらに問い合わせをして良いのか判断がつかず、失礼を承知でこちらへ書き込みをさせて頂きました。
(リンク頁にあります、メルアドへで宜しかったのでしたら申し訳ございません)
リンクの方、もし可能な様でしたら、ぜひ貼らせて頂きたいと思っております。
お手数お掛け致しますが教えて頂ければ幸いです。
長々と、余計な書き込みまで大変失礼致しました。
色々とお忙しい中での創作かとは思いますが、これからも皆様の作品を楽しみにしております。
こちらのサイトへは以前からお邪魔させて頂いてまして、バジル作家様の素晴らしい作品を毎回堪能させて頂いております。
そして、今回の米犬さま作品の締めのお言葉。
『愛すべきカモ』と言う単語に、物凄く衝撃を受けまして、思わずコメントさせて頂いてしまいました。
何と言いましょうか、私の中にあるバジル像にぴったりと言いますか、しっくりと言いますか、この一言にバジルが凝縮された感じがとてもしまして、何て素敵な表現の仕方なんだ…と。
米犬さまの作品は今までのどの作品も、言葉運びや描写表現の仕方に感嘆しきりではあったのですが、今回のこの締めの言葉は本当に私の中で感嘆の衝撃が大きく、軽く震えが来た程でした(って書くと、何だかヤバい人みたいですね…)。
今回も素敵な作品を拝見させて下さりありがとうございました。
それから、ついでの形になってしまい、更にこの場での書き込みで大変申し訳無いのですが、南芙宮さまに質問がございます。
こちらのサイトへ、メンバー以外の者がリンクを貼らせて頂くと言う事は可能でしょうか?
以前から気になっていたのですが、かり。さまが抜けました今、どちらに問い合わせをして良いのか判断がつかず、失礼を承知でこちらへ書き込みをさせて頂きました。
(リンク頁にあります、メルアドへで宜しかったのでしたら申し訳ございません)
リンクの方、もし可能な様でしたら、ぜひ貼らせて頂きたいと思っております。
お手数お掛け致しますが教えて頂ければ幸いです。
長々と、余計な書き込みまで大変失礼致しました。
色々とお忙しい中での創作かとは思いますが、これからも皆様の作品を楽しみにしております。
saori様。
こんにちは、はじめまして。
こめさんの作品なのに
私の方が早くレスをしてしまってよいものか迷いましたが、
取り急ぎお知らせいたします。
バジリ庵はリンクフリーです
(ということに昨日決定いたしました。)
メンバー一同
バジル君の輪が広がっていくことを望んでおりますので、
リンクを貼っていただきたいと思います。
PCサイト様はサイトの方のURLを、
また、
携帯サイト様はブログへのリンクが可能ですが、
ご一報いただけるとメンバーがとても喜びます。
それから、
管理人は私、南 芙宮で間違いないので
わからないことがございましたら
ご質問ください。
出来る範囲でお応えしたいと思います。
それでは、
よろしくお願いいたします。
こめさんの作品なのに
私の方が早くレスをしてしまってよいものか迷いましたが、
取り急ぎお知らせいたします。
バジリ庵はリンクフリーです
(ということに昨日決定いたしました。)
メンバー一同
バジル君の輪が広がっていくことを望んでおりますので、
リンクを貼っていただきたいと思います。
PCサイト様はサイトの方のURLを、
また、
携帯サイト様はブログへのリンクが可能ですが、
ご一報いただけるとメンバーがとても喜びます。
それから、
管理人は私、南 芙宮で間違いないので
わからないことがございましたら
ご質問ください。
出来る範囲でお応えしたいと思います。
それでは、
よろしくお願いいたします。