カリ。さん、いろいろありがとうございます!遅ればせながら。
そして名前やリンク先を米犬に変えちゃいました。違いはあんまりありませんが!
えっと、フミヤさんから回ってきたお題は
「バレンタイン」
乙女の行事ですね!
褌なバジルくんにはあまりに似合わない行事でございます。褌がチョコレートとか?
すみません、バレンタインは山バジだよねっていう文章を書いてたのですが・・・
何か妄想激し過ぎて日記とかの域を超えた長文になりそうだったので、書き慣れてるSSSに逃げます。
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[コンプレックス] 山バジ♀
バレンタインが近づくと、今バジルが過ごしているこの国はチョコの匂いで噎せ返る。
勿論実際に、チョコレートの濃厚な香りが漂ってくるわけではないのだが、そう思うのは一重に・・・街を埋め尽くすハートの形とピンクの色合いによるのだろう。
何処を見ても、愛を主張したもので溢れている街をバジルは、足早に進む。
向かう先は、並盛中。
バジルはそこの生徒でも何でも無いのだけれど、ツナに忘れ物を届けに行った2回で道は完璧に覚えてしまった。
街を通り抜ける間にまた、どろどろとしたハートの色彩が飛び交って一方的にバジルの視界に移りこむ。
我先に、と飛び込んでくるそれらの光景がバジルは好きでは無かった。
何となく、焦らされるような気がするのだ。
日本では女性が男性へチョコレートを贈る日だ、と言う話を家光から聞いて以来ずっと思っている。
それは、多分後ろめたさを感じたからなのだろう。
バジルは毎年、バレンタインが来ると家光にチョコを作っている。
けれど、渡せた試しが無い。
作るまでは良いのだ。けれど、いざ渡すとなるとどうしても、留まってしまう。
日頃男として振舞っている癖に、と自分で思ってしまうのだ。
家光だって貰うことを期待などしていないだろうと、そう思えば尚の事渡す意義も無く、勢いは削がれ、結局チョコレートは自分の胃へ収まることとなる。
14歳のバジルの中で、普段の自分と、偶に女の子として振舞ってみたい自分は同じ自分でありながら、偶に喧嘩をするのだ。
そして、いつもバジルはチョコレートを渡せない。
バジルの中で、だからバレンタインという日は少し嫌な思い出の残る日。
自分が、普通の女の子らしく振舞えないと思い知る日。
けれど、今年はどうだろうか?
今年のバジルには、家光以外にもチョコレートをあげたい人が居る。
家光には今朝もやはり、渡せなかった。
奈々からのチョコレートに喜んで満面の笑みを浮かべていた家光に、今更自分なんかが渡すことにやはり意義が見いだせなくて。
それが言い訳だと、ちゃんとわかっているけれど。
やっぱり、渡せないものは渡せない。
これはバジルの、コンプレックスだ。
自分は、普通の女の子ではないのだから、と
先ず一歩引いて考えてしまう悪い癖。
でも、今年は?
「お疲れ様です、山本殿」
予想していた通りの時間に、門を潜って出てきた山本に声をかけて足を止める。
彼は驚かない。大体、大雑把におおらかに、ありのままを受け入れるから。
バジルが居たからと言って過剰に驚きもしなければ、気を遣うこともなく。あくまでありのまま、接してくれる。
そして、バジルが待っていた言葉を一つ。
「すっげー腹減った!」
あぁ、やっぱり。
そんな風に思ってバジルは笑う。
彼はいつだって、、ありのまま。
気を遣うことなどなく、それでも
バジルが一番欲しい言葉を、あっさりとくれる。
「もし良かったらどうぞ、チョコレートですが。」
優しさより、愛より
彼が当然のようにくれる素直な言葉が
バジルにとって、何よりも嬉しいもの。
だって、お腹が空いている人にお菓子をあげるなんて、とても単純な話だから。
欲しい!と、その一言をずっと誰かに言ってもらいたかったのだ。
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無理矢理まとめ。
で、結局は何が言いたかったって
コンプレックスバジルは受動的だから、山本くらいさっぱり言ってくれる人の方が安心するって話。
山本が何気なく言った思ったままの言葉が、バジルにとっては誰かにずっと言って欲しかった一言とか、して欲しかったこととか。
そんな山バジって良いなって話。
あと、そんな山バジだと普通に初々しい学生恋愛とかっぽいからバレンタインも合うなぁと。
あ、駄目だ眠い。本日はこれにて。
>勝手にSSSにしちゃってすみませんでした;;
お待たせしましたがお次は雀さん!
お題は「贅沢」でお願いします♪