バジルサイト管理人によるバジル好きのためのブログ。 バジルに関する短編小説やイラスト、萌え語りなどを載せています。
今日もみんなでバジってこーぜ。
少々遅れまして申し訳ない・・・折角フミヤさんから優等生の称号を得たのに!←
ところで苺って美味しいですよねー。ということに先月気付きました。ずっと苦手だったんですが・・・甘い苺のなんと美味しいこと!感動しました。美味しい食べ物って素晴らしい。
そんなわけで美味しい苺に纏わるディノバジいきます!
===============
苺 10年後ディノバジ
「・・・だからお前は生意気になったって言ってるんだよ。」
長い前髪を掻き上げて、少々溜め息交じりにディーノは呟く。
2月5日、午前0時過ぎ。
既にディーノの誕生日は過ぎているものの、当日は何かと忙しかった為・・・5日になってから、身内だけのパーティーがひっそり行われているのだ。
身内というだけあって、ディーノの誕生日と言いながらもディーノを中心にしていたのは最初だけ。皆すぐにばらけていつも通りの宴会騒ぎとなったのだが・・・その会場の隅、用意された誕生日ケーキの前で・・・ディーノとバジルの間には不穏な空気が漂っていた。
「そうやって、言い逃げはしないで下さい。・・・拙者の言い分だってわかってるんでしょう?」
切れ長の目がディーノを捉える。
それに負けじと、ディーノも鋭い眼光でバジルを見据えた。
「解ってる。お前の言いたい事なんざ簡単に想像もつくし、・・・でもだからって何でもお前の言う通りにしてやると思うなよ?・・・オレがお前を甘やかし過ぎてるからって、いつもがいつもそうじゃないからな。」
「・・・冗談でしょう?・・・ディーノ殿はいつも勝手です。自分の言い分ばかり通して・・・拙者のお願いなんていつも聞いて下さらないじゃないですか。」
「そんな事無ぇだろ。」
「あります!・・・今だって、拙者の言う事をこんな風に頑なに却下され・・・」
「それは、お前が馬鹿な事言うからだろ。・・・オレにだって譲れないもんがあるんだよ。」
「拙者にだってあります!」
「・・・そういう我侭ばっかり言うな。お前ももう子どもじゃないだろ・・・ったく、子どもの頃のお前の方が素直だったのにな。」
「・・・そんな・・・っ・・・子どもの頃は、・・・馬鹿だっただけです。おぬしの言うことをなんでも聞いていれば良いと思っていただけで・・・」
「・・・でも、・・・喜んでた。お前の顔が嘘か本当か、オレがわからないわけ無いだろ。」
ぐ、と言葉に詰まるバジルと、相変わらず鋭い視線を送るディーノ・・・。
そんな会場の隅の異変に気づいたのは、一応主催者である沢田綱吉で・・・彼は2人とケーキを見比べて、現状を把握すると・・・ディーノの比にならない深い深い溜め息を吐いたのだった。
「・・・2人とも、またやってるんですか・・・」
仕方なしに間に入れば、同時に縋るような視線を送られて。
「沢田殿、ディーノ殿が無茶を言うんです・・・っ」
「ツナ、コイツの我侭を何とかしてやってくれ。」
「・・・・一応聞きますけど、その無茶と我侭の内訳は?」
「折角の苺を食べてくれないんです!」
「好きなくせに苺を食べようとしないんだよ。」
「・・・・」
「今日はおぬしの誕生日でしょう!ディーノ殿に全部差し上げるのが筋ですし、拙者もそうしたいんです!何で解って下さらないんですか・・・っ!」
「オレの誕生日くらいオレの言う事聞けよな。・・・お前苺好きなんだから、全部やるって言ってるだろ。」
「拙者はディーノ殿が美味しく食べて下さればそれで満足なんですっ」
「オレだって、お前が好きなもんならお前に食わしてやりたいんだよ。」
「・・・半分ずつ食べれば良いじゃないですか・・・」
「全部あげたいんです!」
「全部やりたいんだって!」
心底くだらない、と非常に面倒な心情を隠すこともなく曝け出して、ツナは放置を決め込むと踵を返した。
何でこうも・・・大の男が2人して、こんな可愛らしい喧嘩が出来るものか。
この歳でやられると正直言ってウザイ以外の何ものでも無い。
後ろで未だに言い争っているマフィア2人の声を聞きながら、ツナは来年のディーノの誕生日には苺の無い誕生日ケーキにしてやろうと固く決意するのだった。
=============
急ごしらえな感じになってしまってすみません;;
苺を奪い合う・・・じゃなくて、譲り合うディーノ32とバジル24でした。苺より甘い2人にツナもげんなりです。
お次のお題は・・・[炬燵]でお願いしますっ
ところで苺って美味しいですよねー。ということに先月気付きました。ずっと苦手だったんですが・・・甘い苺のなんと美味しいこと!感動しました。美味しい食べ物って素晴らしい。
そんなわけで美味しい苺に纏わるディノバジいきます!
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苺 10年後ディノバジ
「・・・だからお前は生意気になったって言ってるんだよ。」
長い前髪を掻き上げて、少々溜め息交じりにディーノは呟く。
2月5日、午前0時過ぎ。
既にディーノの誕生日は過ぎているものの、当日は何かと忙しかった為・・・5日になってから、身内だけのパーティーがひっそり行われているのだ。
身内というだけあって、ディーノの誕生日と言いながらもディーノを中心にしていたのは最初だけ。皆すぐにばらけていつも通りの宴会騒ぎとなったのだが・・・その会場の隅、用意された誕生日ケーキの前で・・・ディーノとバジルの間には不穏な空気が漂っていた。
「そうやって、言い逃げはしないで下さい。・・・拙者の言い分だってわかってるんでしょう?」
切れ長の目がディーノを捉える。
それに負けじと、ディーノも鋭い眼光でバジルを見据えた。
「解ってる。お前の言いたい事なんざ簡単に想像もつくし、・・・でもだからって何でもお前の言う通りにしてやると思うなよ?・・・オレがお前を甘やかし過ぎてるからって、いつもがいつもそうじゃないからな。」
「・・・冗談でしょう?・・・ディーノ殿はいつも勝手です。自分の言い分ばかり通して・・・拙者のお願いなんていつも聞いて下さらないじゃないですか。」
「そんな事無ぇだろ。」
「あります!・・・今だって、拙者の言う事をこんな風に頑なに却下され・・・」
「それは、お前が馬鹿な事言うからだろ。・・・オレにだって譲れないもんがあるんだよ。」
「拙者にだってあります!」
「・・・そういう我侭ばっかり言うな。お前ももう子どもじゃないだろ・・・ったく、子どもの頃のお前の方が素直だったのにな。」
「・・・そんな・・・っ・・・子どもの頃は、・・・馬鹿だっただけです。おぬしの言うことをなんでも聞いていれば良いと思っていただけで・・・」
「・・・でも、・・・喜んでた。お前の顔が嘘か本当か、オレがわからないわけ無いだろ。」
ぐ、と言葉に詰まるバジルと、相変わらず鋭い視線を送るディーノ・・・。
そんな会場の隅の異変に気づいたのは、一応主催者である沢田綱吉で・・・彼は2人とケーキを見比べて、現状を把握すると・・・ディーノの比にならない深い深い溜め息を吐いたのだった。
「・・・2人とも、またやってるんですか・・・」
仕方なしに間に入れば、同時に縋るような視線を送られて。
「沢田殿、ディーノ殿が無茶を言うんです・・・っ」
「ツナ、コイツの我侭を何とかしてやってくれ。」
「・・・・一応聞きますけど、その無茶と我侭の内訳は?」
「折角の苺を食べてくれないんです!」
「好きなくせに苺を食べようとしないんだよ。」
「・・・・」
「今日はおぬしの誕生日でしょう!ディーノ殿に全部差し上げるのが筋ですし、拙者もそうしたいんです!何で解って下さらないんですか・・・っ!」
「オレの誕生日くらいオレの言う事聞けよな。・・・お前苺好きなんだから、全部やるって言ってるだろ。」
「拙者はディーノ殿が美味しく食べて下さればそれで満足なんですっ」
「オレだって、お前が好きなもんならお前に食わしてやりたいんだよ。」
「・・・半分ずつ食べれば良いじゃないですか・・・」
「全部あげたいんです!」
「全部やりたいんだって!」
心底くだらない、と非常に面倒な心情を隠すこともなく曝け出して、ツナは放置を決め込むと踵を返した。
何でこうも・・・大の男が2人して、こんな可愛らしい喧嘩が出来るものか。
この歳でやられると正直言ってウザイ以外の何ものでも無い。
後ろで未だに言い争っているマフィア2人の声を聞きながら、ツナは来年のディーノの誕生日には苺の無い誕生日ケーキにしてやろうと固く決意するのだった。
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急ごしらえな感じになってしまってすみません;;
苺を奪い合う・・・じゃなくて、譲り合うディーノ32とバジル24でした。苺より甘い2人にツナもげんなりです。
お次のお題は・・・[炬燵]でお願いしますっ
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ど~も~、
ハートブレーカー・フミヤです。
…そんなに…皆…一気に…
というわけでね、
ハイ、
元気だしていこうかなってね。
宝稚さんからのバトンは
全部オレが受け取るぜ!!
んでは。
―――――
酒盛り。
酒盛り、
というには少し寂しいかもしれない。
メロウなジャズが狭いバーのフロアを
より湿っぽいものにする。
「それにしても飲みすぎだ。」
赤い眼の男が
スコッチのロックだったただの水を傾ける。
「だってお前のオゴリなんだろう。」
青い目の少年が澱んだ視線で応える。
卓の上には
空になった麦酒の壜がせめぎあっている。
何のことはない、
ただの誕生日会だ。
16歳になったのだから、
飲みに連れてって、
とバジルはザンザスに強請った。
それに応じて、
現在午前5時。
「お前の誕生日は“昨日”だろう。」
「そんな屁理屈、
レヴィくらいしか聞かないぞ。」
元々バジルは家光により酒に慣らされている。
本人の知らぬ間にオレンジジュースに日本酒が混入されている、
ということもしばしば。
なので、
ちょっとやそっとで酔うわけはなく、
バーのオープンからスタートした飲み会は
店中の壜麦酒を空にするくらいには深くなっていた。
「気持ち悪いよ、お前、
もっと小僧なら小僧らしく飲め。」
ザンザスは眉を顰めてぬるい水をあおる。
「ならもっと酔わせてみろ。」
バジルは唇を突き出して、
首を傾げてザンザスを挑発する。
「莫迦が。」
ザンザスは無視して卓の上の干からびた乾酪を摘み上げた。
老いた店主がレコードを取り替える。
「…ねぇ、」
「あぁ、」
「このまま時が止まればいいのに。」
ザンザスの眉がぴくりと跳ねる。
「何が言いたいんだお前は。」
「だってさ、
このまま拙者はおぬしのように
老いてカランカランになるんだぞ、
そんなのって悲劇だ。」
期待した反応と180度違うことを言われたザンザスは
期待していたことを悟らせぬよう
大袈裟に脚を組んだ。
「ペシミスト気取り。」
「まさか、
根っからのオプティミスト。」
あああ、
とバジルは頭を掻き毟って
「帰る。」
と言い、
勢い良く椅子から立ち上がった。
「さよならのキスは、」
「もう子どもじゃないからしない。」
「じゃあお前はずっと子どもでいろ。」
ふらふらと扉に向かって歩き始めていたバジルを、
ザンザスは乱暴に引き寄せる。
「お誕生日おめでとう、バジル君。
君は永遠の16歳だ。」
「うるさい、ザンザスじじい、
今度は麦酒なんかじゃ済まさないからな、」
扉の外は、
もう明るんでいる。
―――――
ザンバジでした~。
何かね、
さっき調べたら
イタリアの法規飲酒年齢は16歳以上だそうですよ。
だから、
惜しくも20歳バジル君と
三十路ザンザスというわけにはまいりませんでした。
三十路ザンザス可愛い…。
というわけでね、
次はこめさん!
お題は
『苺』
でお願いします!
ハートブレーカー・フミヤです。
…そんなに…皆…一気に…
というわけでね、
ハイ、
元気だしていこうかなってね。
宝稚さんからのバトンは
全部オレが受け取るぜ!!
んでは。
―――――
酒盛り。
酒盛り、
というには少し寂しいかもしれない。
メロウなジャズが狭いバーのフロアを
より湿っぽいものにする。
「それにしても飲みすぎだ。」
赤い眼の男が
スコッチのロックだったただの水を傾ける。
「だってお前のオゴリなんだろう。」
青い目の少年が澱んだ視線で応える。
卓の上には
空になった麦酒の壜がせめぎあっている。
何のことはない、
ただの誕生日会だ。
16歳になったのだから、
飲みに連れてって、
とバジルはザンザスに強請った。
それに応じて、
現在午前5時。
「お前の誕生日は“昨日”だろう。」
「そんな屁理屈、
レヴィくらいしか聞かないぞ。」
元々バジルは家光により酒に慣らされている。
本人の知らぬ間にオレンジジュースに日本酒が混入されている、
ということもしばしば。
なので、
ちょっとやそっとで酔うわけはなく、
バーのオープンからスタートした飲み会は
店中の壜麦酒を空にするくらいには深くなっていた。
「気持ち悪いよ、お前、
もっと小僧なら小僧らしく飲め。」
ザンザスは眉を顰めてぬるい水をあおる。
「ならもっと酔わせてみろ。」
バジルは唇を突き出して、
首を傾げてザンザスを挑発する。
「莫迦が。」
ザンザスは無視して卓の上の干からびた乾酪を摘み上げた。
老いた店主がレコードを取り替える。
「…ねぇ、」
「あぁ、」
「このまま時が止まればいいのに。」
ザンザスの眉がぴくりと跳ねる。
「何が言いたいんだお前は。」
「だってさ、
このまま拙者はおぬしのように
老いてカランカランになるんだぞ、
そんなのって悲劇だ。」
期待した反応と180度違うことを言われたザンザスは
期待していたことを悟らせぬよう
大袈裟に脚を組んだ。
「ペシミスト気取り。」
「まさか、
根っからのオプティミスト。」
あああ、
とバジルは頭を掻き毟って
「帰る。」
と言い、
勢い良く椅子から立ち上がった。
「さよならのキスは、」
「もう子どもじゃないからしない。」
「じゃあお前はずっと子どもでいろ。」
ふらふらと扉に向かって歩き始めていたバジルを、
ザンザスは乱暴に引き寄せる。
「お誕生日おめでとう、バジル君。
君は永遠の16歳だ。」
「うるさい、ザンザスじじい、
今度は麦酒なんかじゃ済まさないからな、」
扉の外は、
もう明るんでいる。
―――――
ザンバジでした~。
何かね、
さっき調べたら
イタリアの法規飲酒年齢は16歳以上だそうですよ。
だから、
惜しくも20歳バジル君と
三十路ザンザスというわけにはまいりませんでした。
三十路ザンザス可愛い…。
というわけでね、
次はこめさん!
お題は
『苺』
でお願いします!
各位
肌寒い季節が続きますが、体調など崩されてはいませんか?
突然ですが、この度諸所の事情でバジリ庵を脱退させていただく運びとなりました。色々と至らない点ばかりでしたが、こちらに参加できたことは大変楽しく、皆さんの素晴らしい作品に良い刺激を受けさせていただきました。
今後も自サイトの運営に一層の強化を計り、少しでもバジル受けの繁栄のお手伝いをさせていただきたいと考えております。
バジリ庵共々よろしくお願いいたします。
今後のバジリ庵、また参加される皆様のご健闘を心よりお祈り申し上げます。
ありがとうございました!!
まひろ
肌寒い季節が続きますが、体調など崩されてはいませんか?
突然ですが、この度諸所の事情でバジリ庵を脱退させていただく運びとなりました。色々と至らない点ばかりでしたが、こちらに参加できたことは大変楽しく、皆さんの素晴らしい作品に良い刺激を受けさせていただきました。
今後も自サイトの運営に一層の強化を計り、少しでもバジル受けの繁栄のお手伝いをさせていただきたいと考えております。
バジリ庵共々よろしくお願いいたします。
今後のバジリ庵、また参加される皆様のご健闘を心よりお祈り申し上げます。
ありがとうございました!!
まひろ
こんばんは!バジリ庵初参加宝稚です。もう一月も終わりですが、どうぞ今年もよろしくおねがいします!
去年の夏には参加させていただくのが決まっていたのですが、諸々の事情で遅れてしまいすみませんでした。芙宮さんその節はほんとに色々ありがとうございました。
そしてカリ。さん、Milさん、雀さん、今までお疲れ様でした!
さてさて、コメさんからのお題が「節分」ということで。
バジルたんは日本の行事となると毎回はしゃいで参加しそうですよね!そしてツナはなんかツッコミどころがあっても、バジルたんがあんまり嬉しそうにしてるから言えないんだと思います。かわいいなあ!
・・・みたいなイメージで描いてみました。
うおーパソコン画むずかしかった・・・!データぶっとばしたりしながら頑張りました。笑
それでは、次はまひろさんですね!
お題は「酒盛り」でお願いしまっす!!バジルたん未成年ですが、親方様は絶対飲ませたことあるよなー、と思いまして(笑)
あけましておめでとうございます、米犬です!
年が変わるといろんなことが変わりますね。よくも悪くも変化はありますが、私も皆様にとっても、楽しい一年になれば良いなと思います。
さて、雀さん(お疲れ様でした!)から頂いたお題はバレンタイン!書こうとして思い出しましたが丁度昨年、バジリ庵が始まってすぐ最初に貰ったお題がバレンタインでした(笑)懐かしいなー。
あの時は山バジ♀でしたが、今回はディノバジ♀で行きます★
=========
「・・・」
「・・・あちっ」
「・・・!」
「いや、大丈夫だって、あっち行ってろ。」
2月中旬、バレンタインデー。
数多くの女性が彼の為にチョコを届けているのだろうに、その本人・・・五千のファミリーを従えるボスであるディーノは、今、バジルの住む狭いアパートの部屋の非常に狭いキッチンで、チョコレート作りに励んでいた。
部下の居ない今、彼の身にチョコレート如きで何か起きては堪らないとバジルは心配そうにこっそりキッチンを覗くのだが、手伝う事も見守ることも禁止されている以上・・・バジルはただ、聞き耳を立てて彼が無事かどうかを探るしかなかった。
何でこんなことになったのかと言えば、話はつい昨夜に遡る。
元はと言えば悪いのは・・・自分なのだ。と、バジルは思い返して溜め息を吐いた。
バレンタインを控えたその日、ディーノからはどこかうきうきしたように電話が掛かってきて。
勿論、内容は・・・非常に控えめで遠まわしなチョコの催促。
そんな彼を勿論愛おしく思うバジルであったし、尊敬し、愛するディーノの為・・・既にチョコは準備してあった。
数年前にディーノから日本のバレンタインを教わって以来、毎年こうしてチョコレートを作るのはバジルにとって恒例の行事なのだ。
が、しかし。
教わってから数年来、バジルの心の中にはとても気になることがあって・・・
いけない事だとは思いつつ、バジルは聞いてしまったのだ。
ディーノ殿は、拙者にチョコをくれますか?なんて。
バジルはディーノから、バレンタインは好きな人にチョコを送る日だ!と教わっていた。だから毎年作ったし、ディーノもそれを楽しみにしていてくれた・・・が、今まで一度としてディーノからチョコを貰ったことはない。
丁度翌月になるとチョコのお礼にと毎年飴をくれるのだが、・・・バレンタインの日にチョコレートをくれることは一度もなかった。
ディーノとバジルは恋人同士で、・・・勿論、バジルはディーノを疑うわけではない。ないのだが・・・何故、くれないのだろうか・・・と、毎年気になっていたのだ。
言い訳のように、そんな説明を慌ててディーノに付け足したところ・・・驚いたのはディーノで。
どうやらディーノが教えてくれた日本のバレンタインの情報にはかけていた言葉があって、正しくは・・・「女の子が、好きな人にチョコを渡す日」だそうだ。
そしてそのチョコレートの返事に、ホワイトデーに男の子はキャンディを渡すのだという。
それを聞いて長年の疑問が解けたバジルはすっきりしたのだけれど、ディーノの方はそうはいかなかった。
自分が言葉足らずに教えてしまったせいで、何年間もそんな思いをさせていたのか・・・と項垂れた彼は、どう思ったか・・・チョコレート作りの材料及び道具を大量に買い込んで、バジルの家へやってきたのだった。
そして、今に至る。
バジルは勿論、そんな事はしないで良いと何度も言ったのだが・・・彼も一度言い出した事を簡単に引っ込めるような性格ではない。
それに・・・淋しい思いをさせた分、一生懸命に作るから。なんて言われてしまっては・・・やはり、バジルだって嬉しかった。
いろんな意味でドキドキしながら待っていると、キッチンからはディーノの鼻歌が聞こえてきて。
一応、順調らしいと察してバジルの頬も緩む。
ディーノにお菓子を作ってもらえるなんて思っても見なかった事だけれど、・・・こうして待っていると、とても楽しみで・・・何だか暖かな気持ちになる。
ディーノも毎年、こんな気持ちだったのだろうか・・・なんて考えながら、バジルは愛しい年上の彼が作るチョコレートを、楽しみに待つのだった。
=============
ちょっと早いけどハッピーバレンタイン!
次はクロさんですね!えーと・・・お題は、「節分」でお願いします★
年が変わるといろんなことが変わりますね。よくも悪くも変化はありますが、私も皆様にとっても、楽しい一年になれば良いなと思います。
さて、雀さん(お疲れ様でした!)から頂いたお題はバレンタイン!書こうとして思い出しましたが丁度昨年、バジリ庵が始まってすぐ最初に貰ったお題がバレンタインでした(笑)懐かしいなー。
あの時は山バジ♀でしたが、今回はディノバジ♀で行きます★
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「・・・」
「・・・あちっ」
「・・・!」
「いや、大丈夫だって、あっち行ってろ。」
2月中旬、バレンタインデー。
数多くの女性が彼の為にチョコを届けているのだろうに、その本人・・・五千のファミリーを従えるボスであるディーノは、今、バジルの住む狭いアパートの部屋の非常に狭いキッチンで、チョコレート作りに励んでいた。
部下の居ない今、彼の身にチョコレート如きで何か起きては堪らないとバジルは心配そうにこっそりキッチンを覗くのだが、手伝う事も見守ることも禁止されている以上・・・バジルはただ、聞き耳を立てて彼が無事かどうかを探るしかなかった。
何でこんなことになったのかと言えば、話はつい昨夜に遡る。
元はと言えば悪いのは・・・自分なのだ。と、バジルは思い返して溜め息を吐いた。
バレンタインを控えたその日、ディーノからはどこかうきうきしたように電話が掛かってきて。
勿論、内容は・・・非常に控えめで遠まわしなチョコの催促。
そんな彼を勿論愛おしく思うバジルであったし、尊敬し、愛するディーノの為・・・既にチョコは準備してあった。
数年前にディーノから日本のバレンタインを教わって以来、毎年こうしてチョコレートを作るのはバジルにとって恒例の行事なのだ。
が、しかし。
教わってから数年来、バジルの心の中にはとても気になることがあって・・・
いけない事だとは思いつつ、バジルは聞いてしまったのだ。
ディーノ殿は、拙者にチョコをくれますか?なんて。
バジルはディーノから、バレンタインは好きな人にチョコを送る日だ!と教わっていた。だから毎年作ったし、ディーノもそれを楽しみにしていてくれた・・・が、今まで一度としてディーノからチョコを貰ったことはない。
丁度翌月になるとチョコのお礼にと毎年飴をくれるのだが、・・・バレンタインの日にチョコレートをくれることは一度もなかった。
ディーノとバジルは恋人同士で、・・・勿論、バジルはディーノを疑うわけではない。ないのだが・・・何故、くれないのだろうか・・・と、毎年気になっていたのだ。
言い訳のように、そんな説明を慌ててディーノに付け足したところ・・・驚いたのはディーノで。
どうやらディーノが教えてくれた日本のバレンタインの情報にはかけていた言葉があって、正しくは・・・「女の子が、好きな人にチョコを渡す日」だそうだ。
そしてそのチョコレートの返事に、ホワイトデーに男の子はキャンディを渡すのだという。
それを聞いて長年の疑問が解けたバジルはすっきりしたのだけれど、ディーノの方はそうはいかなかった。
自分が言葉足らずに教えてしまったせいで、何年間もそんな思いをさせていたのか・・・と項垂れた彼は、どう思ったか・・・チョコレート作りの材料及び道具を大量に買い込んで、バジルの家へやってきたのだった。
そして、今に至る。
バジルは勿論、そんな事はしないで良いと何度も言ったのだが・・・彼も一度言い出した事を簡単に引っ込めるような性格ではない。
それに・・・淋しい思いをさせた分、一生懸命に作るから。なんて言われてしまっては・・・やはり、バジルだって嬉しかった。
いろんな意味でドキドキしながら待っていると、キッチンからはディーノの鼻歌が聞こえてきて。
一応、順調らしいと察してバジルの頬も緩む。
ディーノにお菓子を作ってもらえるなんて思っても見なかった事だけれど、・・・こうして待っていると、とても楽しみで・・・何だか暖かな気持ちになる。
ディーノも毎年、こんな気持ちだったのだろうか・・・なんて考えながら、バジルは愛しい年上の彼が作るチョコレートを、楽しみに待つのだった。
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ちょっと早いけどハッピーバレンタイン!
次はクロさんですね!えーと・・・お題は、「節分」でお願いします★