バジルサイト管理人によるバジル好きのためのブログ。 バジルに関する短編小説やイラスト、萌え語りなどを載せています。
今日もみんなでバジってこーぜ。
こんばんは。
お待たせいたしまして申し訳ありません!!
そしていつも、私の作品に対して温かいお言葉ありがとうございます
なかなかお返事ができず心苦しいばかりですが、なるべくお返ししたいと思います。
また、一つ一つの絵に心をこめて描くことで、感謝のお返しをしていきたいと思います!
あと、いつも微妙に乗り遅れてしまい皆さんの作品にコメできずすみません~
もっとがんばります!!(色々と)
さて、本題ですが
ミルさんから頂いたお題「月見」です
相変わらず単品です;;(いや、ある意味うさぎ×バジルと言ってみます)
秋は私が一番好きな季節です~vv
妙な哀愁のある空気感と思いきや、「○○の秋」といった風に意外とチャレンジの季節でもあります
私の描くバジルのイメージはどことなく秋~冬というイメージで描かれてしまいます・・何故か
実際のところまだまだ暑いですね;;
暑さ寒さも彼岸まで・・・・早く彼岸よ来い!( ´_ゝ`)∂゛
お次のお題ですが
「秋の夜長」
でお願いします!鈴虫の声で切なかったり、夜長ということでみっちりラブラブだったり・・・
楽しみにしてまーすvv
お待たせいたしまして申し訳ありません!!
そしていつも、私の作品に対して温かいお言葉ありがとうございます
なかなかお返事ができず心苦しいばかりですが、なるべくお返ししたいと思います。
また、一つ一つの絵に心をこめて描くことで、感謝のお返しをしていきたいと思います!
あと、いつも微妙に乗り遅れてしまい皆さんの作品にコメできずすみません~
もっとがんばります!!(色々と)
さて、本題ですが
ミルさんから頂いたお題「月見」です
相変わらず単品です;;(いや、ある意味うさぎ×バジルと言ってみます)
秋は私が一番好きな季節です~vv
妙な哀愁のある空気感と思いきや、「○○の秋」といった風に意外とチャレンジの季節でもあります
私の描くバジルのイメージはどことなく秋~冬というイメージで描かれてしまいます・・何故か
実際のところまだまだ暑いですね;;
暑さ寒さも彼岸まで・・・・早く彼岸よ来い!( ´_ゝ`)∂゛
お次のお題ですが
「秋の夜長」
でお願いします!鈴虫の声で切なかったり、夜長ということでみっちりラブラブだったり・・・
楽しみにしてまーすvv
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すみません。諸事情で遅くなりました。汗
遅くなる旨を書きに来ようと思っていたのですが、それもすっかり忘れていました。orz
申し訳ありません(大汗
==============
秘密 ツナバジ
カチャッと奥の部屋のドアを開けて、バジルがふらふらと上気した顔で出てきた。
すこし上に上がった口角が嬉しさを隠しきれていない様子だ。
「どうしたの?バジル君」
ツナが声を掛けると、「うわぁ!さっ、沢田殿!なっ、何でもないです」と明らかに動揺して台所の方へ去っていった。
あの人って、つくづく隠し事できない性格だよなぁ…
気になって、バジルの出て来た、普段は開かずの部屋のドアを開けた。
開かずの部屋って言うか、荷物置き場になって使ってないだけだけど。
「おう、なんだ?ツナか」
思ってもいない人物が中に居て、一瞬ぎょっとした。
そこに鎮座していたのは、やはり普段家に居ないツナの父親だった。
…そうだった、普段家に居ないから忘れていた。
ここは普段物置でもあるが、父の部屋でもあったんだ。
ごちゃごちゃとダンボールや本が散らばる、物置まんまの狭い床に、散らばる物に端をめくらせながら無理やり引いた敷き布団の上に、家光と乱れた掛け布団が乗っていた。
バジルとここで二人で何をしていたのか、ちょっと予想が付かず、ツナが混乱した。
「…父さん。バジル君と何やってたの?こんな所で」カチャカチャと部屋の鍵を無意識にいじりながらツナが聞く。
「気になるか?」
にやっと口角をゆがませる父に、一瞬ツナはむっとした。なんだよ、この、バジルと父さんのヒミツを聞くような心地悪さ。
「…別に。ただ、俺と違って、バジル君とは妙に親密だね」
「バジルは俺の部下だからな。教えて欲しいと言われれば、大抵のことは教える」
こんな部屋で、何教えてたんだよ…
段々いらいらしてツナの顔が赤くなるのを見て、家光がにやっと言った。
「なんだ、おまえ。バジルに妬いてるのか?」
その言葉に、さらにツナが怒りで赤くなった。
逆に決まってるだろ!!と思った瞬間、自分でも分かるほど顔が赤くなった。…ていうか、俺、父さんに妬いてるのか?
この狭い部屋で、バジルにあんな顔をさせるような事を、父がやっていたのかと思うと、何をしていたのか知りたくて、父を押し倒して締め上げたくなる。返り討ちに合うだけだろうけど。
だが、「何してたか、教えて欲しいか?」と余裕の笑顔で、ツナの求めていた言葉を言ってみせる、父のにやにや顔がいらついて、つい「いらないよ!」と吐き捨てると、ツナはバジルの後を追った。
父に聞かなくても、バジルに直接聞けばいいだけの話だ。
この時間は、母と台所に居るバジルはすぐに捕まえられた。
「母上殿のお手伝いが…」と渋るバジルを無理やり部屋に連れてくると、壁に押し付けて詰問した。
「バジル君、父さんとあの部屋で何やってたの?」
既に赤い顔のツナが尋常ならざる感じで攻め寄って来て、バジルもこれはまずいと思ったのか、赤い顔で押し黙っていたが、ポツリポツリと言いだした。
「も、申し訳ありません、沢田殿。その…」
ごにょごにょと言いにくそうだが、謝罪の言葉で確信した。ツナに謝るような事をやっていたらしいバジルに、ツナがますます腹を立てた。
「何をやっていたか言わなかったら、もう友達辞める!」
それは困ると、青い顔でバジルはしどろもどろに説明しだした。
「す、すみません。沢田殿に黙って…。親方様に見たいかと言われてつい…」
「見たいって、何を?」
「いくらお父上とはいえ、こっ、こういう事は本人に先に断っておくべきでした。申し訳ありません」
「だから何を見たんだよ!」
ちょっといらいらしてツナが詰め寄る。
「拙者、一枚しか持ってなかったので…、他のも見たくて…。拙者、沢田殿のことをほとんど知りませんし…つい…」
は?俺のことをほとんど知らないって?
どうやら自分の疑惑とは全く違う方向の話らしく、ツナも冷静を取り戻しながら聞いた。
「何?一枚って。俺の事に関すること?」
「あの…アルバムを…。沢田殿の小さい頃の写真とかを勝手に見せていただいて…」
「・・・・・・・・・・」
そこまで聞くと、あの父のいやらしいニヤニヤ顔も納得いった。そうか、そういう意味だったのか。
バジルが自分の昔の写真を見て、あの嬉しそうな笑顔だったのかと思うと、今度は綱吉も別の意味で赤くなって俯いた。
「あの…焼き増ししてもらう約束もしてあるのですが…いいでしょうか?」
口に手を当てて、申し訳なさげに上目遣いのバジルに、ツナは段々と嬉しい感情がわいて来た。
自分の写真をそこまで欲しがるバジルにちょっと照れてきた。
「いいけど…今度バジル君のも撮らせてよ。俺もバジル君の写真、持ってないからさ」
突然真っ赤になって、俯き、「い、いいですけど…だっ、誰にも見せないでくださいね」
…ただの写真なのに。写真、慣れてないのかな?
なんだか二人だけのヒミツのような気がして、ツナは段々楽しくなってきた。
「うん、分かった。俺らだけの秘密な!親方様にも言うなよ」
それからちょっと笑って、二人で仲直りと約束の指切りをした。
バジルが焼き増しをお願いしてた写真に、ツナの全裸の水浴び写真があると知るのは、もっと後になってからであった
============
バジルって、公式ではほとんど設定がないから、秘密多そうだな~と思ったんですが、バジルの秘密はエロイのしか思い浮かびませんでした。orz(またかいって感じすが 汗
次のお題は「水」に関することでお願いします。(^ω^)
雨でもいいし、海や川やプールや水着でもいいっす。汗でもいいです。
水の滴るバジルを見てみたい…(←別にぬれてるバジルじゃない表現でもいいっす。
遅くなる旨を書きに来ようと思っていたのですが、それもすっかり忘れていました。orz
申し訳ありません(大汗
==============
秘密 ツナバジ
カチャッと奥の部屋のドアを開けて、バジルがふらふらと上気した顔で出てきた。
すこし上に上がった口角が嬉しさを隠しきれていない様子だ。
「どうしたの?バジル君」
ツナが声を掛けると、「うわぁ!さっ、沢田殿!なっ、何でもないです」と明らかに動揺して台所の方へ去っていった。
あの人って、つくづく隠し事できない性格だよなぁ…
気になって、バジルの出て来た、普段は開かずの部屋のドアを開けた。
開かずの部屋って言うか、荷物置き場になって使ってないだけだけど。
「おう、なんだ?ツナか」
思ってもいない人物が中に居て、一瞬ぎょっとした。
そこに鎮座していたのは、やはり普段家に居ないツナの父親だった。
…そうだった、普段家に居ないから忘れていた。
ここは普段物置でもあるが、父の部屋でもあったんだ。
ごちゃごちゃとダンボールや本が散らばる、物置まんまの狭い床に、散らばる物に端をめくらせながら無理やり引いた敷き布団の上に、家光と乱れた掛け布団が乗っていた。
バジルとここで二人で何をしていたのか、ちょっと予想が付かず、ツナが混乱した。
「…父さん。バジル君と何やってたの?こんな所で」カチャカチャと部屋の鍵を無意識にいじりながらツナが聞く。
「気になるか?」
にやっと口角をゆがませる父に、一瞬ツナはむっとした。なんだよ、この、バジルと父さんのヒミツを聞くような心地悪さ。
「…別に。ただ、俺と違って、バジル君とは妙に親密だね」
「バジルは俺の部下だからな。教えて欲しいと言われれば、大抵のことは教える」
こんな部屋で、何教えてたんだよ…
段々いらいらしてツナの顔が赤くなるのを見て、家光がにやっと言った。
「なんだ、おまえ。バジルに妬いてるのか?」
その言葉に、さらにツナが怒りで赤くなった。
逆に決まってるだろ!!と思った瞬間、自分でも分かるほど顔が赤くなった。…ていうか、俺、父さんに妬いてるのか?
この狭い部屋で、バジルにあんな顔をさせるような事を、父がやっていたのかと思うと、何をしていたのか知りたくて、父を押し倒して締め上げたくなる。返り討ちに合うだけだろうけど。
だが、「何してたか、教えて欲しいか?」と余裕の笑顔で、ツナの求めていた言葉を言ってみせる、父のにやにや顔がいらついて、つい「いらないよ!」と吐き捨てると、ツナはバジルの後を追った。
父に聞かなくても、バジルに直接聞けばいいだけの話だ。
この時間は、母と台所に居るバジルはすぐに捕まえられた。
「母上殿のお手伝いが…」と渋るバジルを無理やり部屋に連れてくると、壁に押し付けて詰問した。
「バジル君、父さんとあの部屋で何やってたの?」
既に赤い顔のツナが尋常ならざる感じで攻め寄って来て、バジルもこれはまずいと思ったのか、赤い顔で押し黙っていたが、ポツリポツリと言いだした。
「も、申し訳ありません、沢田殿。その…」
ごにょごにょと言いにくそうだが、謝罪の言葉で確信した。ツナに謝るような事をやっていたらしいバジルに、ツナがますます腹を立てた。
「何をやっていたか言わなかったら、もう友達辞める!」
それは困ると、青い顔でバジルはしどろもどろに説明しだした。
「す、すみません。沢田殿に黙って…。親方様に見たいかと言われてつい…」
「見たいって、何を?」
「いくらお父上とはいえ、こっ、こういう事は本人に先に断っておくべきでした。申し訳ありません」
「だから何を見たんだよ!」
ちょっといらいらしてツナが詰め寄る。
「拙者、一枚しか持ってなかったので…、他のも見たくて…。拙者、沢田殿のことをほとんど知りませんし…つい…」
は?俺のことをほとんど知らないって?
どうやら自分の疑惑とは全く違う方向の話らしく、ツナも冷静を取り戻しながら聞いた。
「何?一枚って。俺の事に関すること?」
「あの…アルバムを…。沢田殿の小さい頃の写真とかを勝手に見せていただいて…」
「・・・・・・・・・・」
そこまで聞くと、あの父のいやらしいニヤニヤ顔も納得いった。そうか、そういう意味だったのか。
バジルが自分の昔の写真を見て、あの嬉しそうな笑顔だったのかと思うと、今度は綱吉も別の意味で赤くなって俯いた。
「あの…焼き増ししてもらう約束もしてあるのですが…いいでしょうか?」
口に手を当てて、申し訳なさげに上目遣いのバジルに、ツナは段々と嬉しい感情がわいて来た。
自分の写真をそこまで欲しがるバジルにちょっと照れてきた。
「いいけど…今度バジル君のも撮らせてよ。俺もバジル君の写真、持ってないからさ」
突然真っ赤になって、俯き、「い、いいですけど…だっ、誰にも見せないでくださいね」
…ただの写真なのに。写真、慣れてないのかな?
なんだか二人だけのヒミツのような気がして、ツナは段々楽しくなってきた。
「うん、分かった。俺らだけの秘密な!親方様にも言うなよ」
それからちょっと笑って、二人で仲直りと約束の指切りをした。
バジルが焼き増しをお願いしてた写真に、ツナの全裸の水浴び写真があると知るのは、もっと後になってからであった
============
バジルって、公式ではほとんど設定がないから、秘密多そうだな~と思ったんですが、バジルの秘密はエロイのしか思い浮かびませんでした。orz(またかいって感じすが 汗
次のお題は「水」に関することでお願いします。(^ω^)
雨でもいいし、海や川やプールや水着でもいいっす。汗でもいいです。
水の滴るバジルを見てみたい…(←別にぬれてるバジルじゃない表現でもいいっす。
水辺と聞いて、ネタが川赤子(水辺の妖怪)しか出てこなかったので仕事中に妖怪を追い出し追い出し、もう少しまともなネタを考えたので・・・忘れない内にさくっと書きます。
==============
水辺 ツナバジ
少し涼んでいこうよ、とツナが足を止めたのは近所の公園だった。
こんなところがあるんですね、と木漏れ日の中を歩くバジルが物珍しそうにしている様子に、なんとなくツナは不甲斐なく思う。考えればわかりそうなものだった。部屋でゲームなんかしているより、余程バジルは喜んだだろうに。もっと、連れて来てあげれば良かった。
ジジッ、と蝉が逃げる。この頃になると、なんとなく彼らの鳴き声には迫るものがあるような気がする。
もうすぐ蝉も居なくなる。
「・・・ここは、公園ですよね?」
バジルに聞かれ、その場凌ぎでも会話を続けたかったのに良い言葉が出てこない。思えば、小さい頃から何度となく来ていたはずの公園なのに、その名前すら知らない。
「・・・水の公園、って呼んでた。今思えばちゃっちい公園なんだよね。遊具も無いし。」
環境整備か何かが目的なのか、子どもが駆け回って遊ぶ公園というより大人が散歩する為にあるような公園。それも、余所行きの綺麗な舗装がされていない為に散歩する人も少ない。昔よりは大人になった今から思えば、淋しい公園だ。
「良く来られるのですか?」
「昔はね。・・・遊び道具はなかったけど・・・ほら、向こうに池があるでしょ。あの岩の下とかにザリガニがいて・・・そういうのとったりしてた。」
指差すと、バジルがその先を見つめる。何の面白味も無い池なのに、なんだか、申し訳なくもあり嬉しくもある。
2人でそんな取りとめのない話をしながら、適当な場所で腰を降ろした。
悪ふざけのように、靴と靴下を脱ぐと足首までを水につける。
「ぬるい。」
折角冷たいだろうかと思って、綺麗な水のある人工池の方まで来たのに。と、ツナが愚痴るとバジルが笑った。そして、同じように足を水につける。
「・・・でも、気持ち良いですね。」
風が、木々を揺らす。緑の葉が、ざわざわと音を立てて。時折、激しい太陽の光を漏らす。
葉の不規則な影がバジルの白い肌の上に落ちていた。
その影を辿ると、伏せた睫に行き会う。
バジルは視線に応えることもなく、じ・・・と視線を落としている。水の中の、つま先へ。
バジルのその遠い横顔を見て、ツナは喉を鳴らした。恐怖のような、泣きたいような気持ちだった。
夏が、終わる。もう、間もなく。
今、肌を焼く太陽の熱も、喧しい蝉の声も、緑の葉も、ぬるい水も、何もかもがもうすぐなくなる。
夏なんて短いものだ。高々2ヶ月しかない。
そして夏が終われば学校が始まる。いつもの日常に戻る。
バジルも、イタリアへ帰る。
元々家光の帰省に巻き込まれてついてきただけだった。だから、これは束の間の日。
「・・・バジルくん、後でアイス買って帰ろっか。」
「良いですね、きっと美味しいですよ。」
今日は暑いですから。と、笑うバジルの声にほっとする。
こんな暑さが続いて、彼が気付かなければ良い。迫り来る夏のお終いに、気付かないでいてくれれば良い。なんて、馬鹿げた話。
夏はもう終わるのだ。だから、こんなにも自分は切ないのに。
ぱしゃん。
バジルが、右足を上げた。
つま先から、水が伝う。もう一度水の中に沈めると、水面が揺れて白い光を跳ね返してきた。
どうか、忘れないでいて。
ツナは、言葉に出来ないままに思う。願う。
バジルとツナの世界は遠い。イタリアと日本だとか、そんなものじゃない。そんな意味じゃなくて、彼は、彼の世界は自分とは違う。
だから、今束の間の夏休みが終われば
彼の世界は自分の知らないものへ変わる。その世界のバジルの姿をツナは知らない。
ただ
この水面の
揺ら揺ら、輝く太陽の光を、どうか忘れないで。
2人並んで水辺に座る夏の日を、忘れないでいて、欲しい。
「・・・帰ろっか、バジルくん。」
もうすぐ君は、オレの知らない世界に帰ってしまうけど。
でも、どうか、・・・思い出して。
君の為の世界は、オレの隣にもあることを。この、日本にだっていつだって逃げてくれば良いってことを。
============
不完全燃焼・・・。気持ち、チェンジザワールドのツナ視点でした。
夏休みのない社会人には夏なんてあっという間です。
==============
水辺 ツナバジ
少し涼んでいこうよ、とツナが足を止めたのは近所の公園だった。
こんなところがあるんですね、と木漏れ日の中を歩くバジルが物珍しそうにしている様子に、なんとなくツナは不甲斐なく思う。考えればわかりそうなものだった。部屋でゲームなんかしているより、余程バジルは喜んだだろうに。もっと、連れて来てあげれば良かった。
ジジッ、と蝉が逃げる。この頃になると、なんとなく彼らの鳴き声には迫るものがあるような気がする。
もうすぐ蝉も居なくなる。
「・・・ここは、公園ですよね?」
バジルに聞かれ、その場凌ぎでも会話を続けたかったのに良い言葉が出てこない。思えば、小さい頃から何度となく来ていたはずの公園なのに、その名前すら知らない。
「・・・水の公園、って呼んでた。今思えばちゃっちい公園なんだよね。遊具も無いし。」
環境整備か何かが目的なのか、子どもが駆け回って遊ぶ公園というより大人が散歩する為にあるような公園。それも、余所行きの綺麗な舗装がされていない為に散歩する人も少ない。昔よりは大人になった今から思えば、淋しい公園だ。
「良く来られるのですか?」
「昔はね。・・・遊び道具はなかったけど・・・ほら、向こうに池があるでしょ。あの岩の下とかにザリガニがいて・・・そういうのとったりしてた。」
指差すと、バジルがその先を見つめる。何の面白味も無い池なのに、なんだか、申し訳なくもあり嬉しくもある。
2人でそんな取りとめのない話をしながら、適当な場所で腰を降ろした。
悪ふざけのように、靴と靴下を脱ぐと足首までを水につける。
「ぬるい。」
折角冷たいだろうかと思って、綺麗な水のある人工池の方まで来たのに。と、ツナが愚痴るとバジルが笑った。そして、同じように足を水につける。
「・・・でも、気持ち良いですね。」
風が、木々を揺らす。緑の葉が、ざわざわと音を立てて。時折、激しい太陽の光を漏らす。
葉の不規則な影がバジルの白い肌の上に落ちていた。
その影を辿ると、伏せた睫に行き会う。
バジルは視線に応えることもなく、じ・・・と視線を落としている。水の中の、つま先へ。
バジルのその遠い横顔を見て、ツナは喉を鳴らした。恐怖のような、泣きたいような気持ちだった。
夏が、終わる。もう、間もなく。
今、肌を焼く太陽の熱も、喧しい蝉の声も、緑の葉も、ぬるい水も、何もかもがもうすぐなくなる。
夏なんて短いものだ。高々2ヶ月しかない。
そして夏が終われば学校が始まる。いつもの日常に戻る。
バジルも、イタリアへ帰る。
元々家光の帰省に巻き込まれてついてきただけだった。だから、これは束の間の日。
「・・・バジルくん、後でアイス買って帰ろっか。」
「良いですね、きっと美味しいですよ。」
今日は暑いですから。と、笑うバジルの声にほっとする。
こんな暑さが続いて、彼が気付かなければ良い。迫り来る夏のお終いに、気付かないでいてくれれば良い。なんて、馬鹿げた話。
夏はもう終わるのだ。だから、こんなにも自分は切ないのに。
ぱしゃん。
バジルが、右足を上げた。
つま先から、水が伝う。もう一度水の中に沈めると、水面が揺れて白い光を跳ね返してきた。
どうか、忘れないでいて。
ツナは、言葉に出来ないままに思う。願う。
バジルとツナの世界は遠い。イタリアと日本だとか、そんなものじゃない。そんな意味じゃなくて、彼は、彼の世界は自分とは違う。
だから、今束の間の夏休みが終われば
彼の世界は自分の知らないものへ変わる。その世界のバジルの姿をツナは知らない。
ただ
この水面の
揺ら揺ら、輝く太陽の光を、どうか忘れないで。
2人並んで水辺に座る夏の日を、忘れないでいて、欲しい。
「・・・帰ろっか、バジルくん。」
もうすぐ君は、オレの知らない世界に帰ってしまうけど。
でも、どうか、・・・思い出して。
君の為の世界は、オレの隣にもあることを。この、日本にだっていつだって逃げてくれば良いってことを。
============
不完全燃焼・・・。気持ち、チェンジザワールドのツナ視点でした。
夏休みのない社会人には夏なんてあっという間です。
どうも~
温帯低気圧こと
夏女、ふみやです。
夏、
エンジョイしてますよ!!
365日が夏休み~♪
太陽は沈まない~♪
夏コミは
各方面の方々
本当にありがとうございました!!
おかげで楽しかったです!!
では。
お題『夏模様』いきますね~!
―――
夏模様。
雲雀恭弥は自宅に引きこもっていた。
夏はあんまり好きではない。
縁側に扇風機を持ち込んで
アイスキャンデーを舐めながら
たらいに水を張って足を浸し、
ひたすら時間が過ぎるのを待つのが
彼の夏の日課だ。
しかし今日は来客の予定があった。
雲雀の丹精した睡蓮を見たいのだという。
そのような私事を知っているような人間は
この世に唯一人。
「こんにちは、恭弥殿、」
生垣の外から声がする。
バジルだ。
「門は開いてるから、
入っておいで。」
バジルが喜ぶだろうと思って
雲雀は浴衣姿だ。
菓子屋で購った冷やし飴もある。
今日見せる睡蓮は
めだか入りのとっておき。
雲雀は物事に関して無頓着だが
バジルを幸福にするための苦労は厭わない。
おずおずと門を開き入ってきたバジルは
期待通り
雲雀の姿を見るなり歓声を上げた。
「お似合いです、恭弥殿。」
雲雀の定位置
縁側にバジルを上げると、
雲雀は冷やし飴と水羊羹を盆に載せてバジルをもてなす。
麦茶だと思って冷やし飴を口にしたバジルは
驚いて一瞬飲み込めず、
目で雲雀に
「何ですかこれは」
と訴えた。
「冷やし飴。
生姜の味がするでしょう。」
ようやっと飲み込んだバジルは
「ヒヤシアメ、美味しいです、」
と破顔し、
それを見た雲雀はとても満ちたりた気分になった。
暫くくだらないことを話し、
そうそうそうだった、
という風で睡蓮を見ようということになり
雲雀は自室から
ギヤマンで出来た一抱えもある鉢を持ってきた。
鉢の表は切子になっており、
見た目にも涼しげだ。
「綺麗な入れ物ですね。」
バジルは目を輝かせ、
鉢を覗き込む。
中では
睡蓮と藻とめだかとが
小さな世界を作っていた。
幼児の掌ほどの睡蓮の花が
仄白く開いている。
「今年、
夏らしいものを育てたくてね。
とりあえず形から入ってみた。」
「さすが恭弥殿です、
ステキです、」
興奮気味に睡蓮を眺めるバジルを、
雲雀は愛おしく思ったのだった。
それからまた話が膨らんで
時間はあっという間に経ち、
夕刻、
虫の音の聞こえる頃になった。
「それでは、拙者、
そろそろお暇しなければ。」
からっと言うバジルに、
雲雀は少し悔しくなって。
右手でバジルを引き寄せると
額に軽く接吻をした。
雲雀の顔は黄昏に飲まれて
もう表情は読み取れない。
バジルは少し困って
押し黙ってしまった。
「…また来てくれる、」
恨めしそうにそう言う雲雀の頬を、
ふわりと触れ。
「恭弥殿がご迷惑でなければ。」
少し汗ばんだ雲雀の胸元に、
顔を埋めた。
濃紺の夜空。
眩く瞬く空の星と
辺りに染み入る日暮の声に
雲雀は
次はどうやってバジルを喜ばせようと
思いを馳せるのであった。
―――
何か
晩夏って感じになりましたね!
まとまり無くてすみませんー泣。
お次はこめさん!!
お題は…う~ん…そうですね…
『水辺』で!
残暑が厳しゅうございますが
皆様ご自愛を!
温帯低気圧こと
夏女、ふみやです。
夏、
エンジョイしてますよ!!
365日が夏休み~♪
太陽は沈まない~♪
夏コミは
各方面の方々
本当にありがとうございました!!
おかげで楽しかったです!!
では。
お題『夏模様』いきますね~!
―――
夏模様。
雲雀恭弥は自宅に引きこもっていた。
夏はあんまり好きではない。
縁側に扇風機を持ち込んで
アイスキャンデーを舐めながら
たらいに水を張って足を浸し、
ひたすら時間が過ぎるのを待つのが
彼の夏の日課だ。
しかし今日は来客の予定があった。
雲雀の丹精した睡蓮を見たいのだという。
そのような私事を知っているような人間は
この世に唯一人。
「こんにちは、恭弥殿、」
生垣の外から声がする。
バジルだ。
「門は開いてるから、
入っておいで。」
バジルが喜ぶだろうと思って
雲雀は浴衣姿だ。
菓子屋で購った冷やし飴もある。
今日見せる睡蓮は
めだか入りのとっておき。
雲雀は物事に関して無頓着だが
バジルを幸福にするための苦労は厭わない。
おずおずと門を開き入ってきたバジルは
期待通り
雲雀の姿を見るなり歓声を上げた。
「お似合いです、恭弥殿。」
雲雀の定位置
縁側にバジルを上げると、
雲雀は冷やし飴と水羊羹を盆に載せてバジルをもてなす。
麦茶だと思って冷やし飴を口にしたバジルは
驚いて一瞬飲み込めず、
目で雲雀に
「何ですかこれは」
と訴えた。
「冷やし飴。
生姜の味がするでしょう。」
ようやっと飲み込んだバジルは
「ヒヤシアメ、美味しいです、」
と破顔し、
それを見た雲雀はとても満ちたりた気分になった。
暫くくだらないことを話し、
そうそうそうだった、
という風で睡蓮を見ようということになり
雲雀は自室から
ギヤマンで出来た一抱えもある鉢を持ってきた。
鉢の表は切子になっており、
見た目にも涼しげだ。
「綺麗な入れ物ですね。」
バジルは目を輝かせ、
鉢を覗き込む。
中では
睡蓮と藻とめだかとが
小さな世界を作っていた。
幼児の掌ほどの睡蓮の花が
仄白く開いている。
「今年、
夏らしいものを育てたくてね。
とりあえず形から入ってみた。」
「さすが恭弥殿です、
ステキです、」
興奮気味に睡蓮を眺めるバジルを、
雲雀は愛おしく思ったのだった。
それからまた話が膨らんで
時間はあっという間に経ち、
夕刻、
虫の音の聞こえる頃になった。
「それでは、拙者、
そろそろお暇しなければ。」
からっと言うバジルに、
雲雀は少し悔しくなって。
右手でバジルを引き寄せると
額に軽く接吻をした。
雲雀の顔は黄昏に飲まれて
もう表情は読み取れない。
バジルは少し困って
押し黙ってしまった。
「…また来てくれる、」
恨めしそうにそう言う雲雀の頬を、
ふわりと触れ。
「恭弥殿がご迷惑でなければ。」
少し汗ばんだ雲雀の胸元に、
顔を埋めた。
濃紺の夜空。
眩く瞬く空の星と
辺りに染み入る日暮の声に
雲雀は
次はどうやってバジルを喜ばせようと
思いを馳せるのであった。
―――
何か
晩夏って感じになりましたね!
まとまり無くてすみませんー泣。
お次はこめさん!!
お題は…う~ん…そうですね…
『水辺』で!
残暑が厳しゅうございますが
皆様ご自愛を!