バジルサイト管理人によるバジル好きのためのブログ。 バジルに関する短編小説やイラスト、萌え語りなどを載せています。
今日もみんなでバジってこーぜ。
ども~、
ロック星からきた不思議王子、
ふみやですよ~。
ちょいとお知らせを。
他の方に出されたお題に答えてみたい!
自分の出したお題をやりたい!!
そういった声にお応えして
この度
『バジリ庵~バックヤード~』
を作りました!!!(どんどんどんぱふぱふ~♪)
ルールはそちらの方に書いてあるので
参照してください!
ではでは
皆様、
バックヤードの方もご愛顧ください~!!
http://basilian.jugem.jp/
ロック星からきた不思議王子、
ふみやですよ~。
ちょいとお知らせを。
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皆様、
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遅くなり申し訳ありません。
米犬さんから頂きましたお題の「季節の変わり目」のSSで、
ツナバジです。
ちょっと色々突っ込みどころがあるかと思いますが、後ほど(;´∀`)
==================
「くしゅんっ」
と、ツナがくしゃみをしたら、流しでごそごそしていたバジルが寄ってきた。
「大丈夫ですか?沢田殿。季節の変わり目で風邪をひきやすいですから、気をつけてください」
割烹着の前の部分で濡れた手を拭いて、大げさにツナの頭に手を置こうとするバジルの手をやんわり、大丈夫だよと断った。
9月はとっくに終わり、10月も半ば。もうさすがに半そでではいられず、長袖の服も段々と厚手のものに変わり始める時期だ。
しかしこの時分になると、ツナの関心は気温の事ではなくなる。
そんなツナの焦りにも似た期待をよそに、バジルは一旦台所を出ると、大き目の紙袋を手に戻ってきた。
「はい、沢田殿。拙者からのプレゼントです。本当は食事の時に渡そうと思っていたのですが…」
綺麗なラッピングのリボンの付いた、いかにも特別風の紙袋を渡されて、ツナは嬉しい気持ちと同時にちょっとガッカリしてしまった。
仕方ないとは分かっていても…
でもせっかくプレゼントを渡されて、そんな感情を態度に出すわけにも行かず、ツナは大げさに喜んでみせて、ラッピングをといた。
中からは、綿がこんもり詰まったちゃんちゃんこが出てきた。
「親方様から聞きました。日本の冬の、伝統のホームウエアだって。拙者の時には夏でしたから甚平でしたから」
日本の伝統に弱い彼が、夏の誕生日プレゼントに甚平を渡されて、いたく喜んで、一日中、寝るときも出かける時も着ていたのを微笑ましく思いだした。
だから俺にはちゃんちゃんこなんだ。同時に、期待もまた持ち上がった。
いや、分からないぞ。さっき俺がくしゃみをしたから、繰上げでこの防寒服を今日渡しただけかもしれない。
「これも…拙者から沢田殿にです…」
そう思ったツナの前に、バジルがおずおずとこぶりながらも生クリームがたっぷり掛かった手作りのホールケーキを出してきて、自分の危惧が確定になって、ツナはがっかりした。
真ん中に立っている一本のロウソクはさすがにツナの年齢にはかなり足りない。
先ほどからごそごそと作っていたのはこれだったんだ。
…さすがにケーキは前日に作らないよな…明日になったら生クリームも乾燥してくるし。
「あ、ありがとう。ついででも嬉しいよ…」
さすがに落胆の色を隠せず、声色と肩を落としたツナが、ケーキを受け取った。
今日は10月13日…
つまりリボーンの誕生日だ。
朝から家族たちはそのための準備に忙しい。
家族に誕生日が近いものが居る者の宿命で、片方の誕生日と一緒に済まされてしまう。
それは大概、誕生日が遅い者が早い者に一緒にされる。
今更誕生日を、主役として持ち上げられて、わざわざ家族に祝って欲しい年齢でもない。
はっきり言ってご馳走が食べられればそれだけでいい。
でも、バジルは…最近親密度の上がってきた彼だけはもしかして、リボーンと誕生日を一緒にせずに、個別で俺を祝ってくれるんじゃないかと淡い期待を抱いていたので、さすがに落胆した。
仕方ないか…
バジルに誕生日を祝ってもらえるのは素直に嬉しいし。
「ありがとう、バジル君。誕生日、祝ってくれるの嬉しいよ。たとえリボーンのついででも…」
バジルはきょとんとしてツナを見ている。
「誕生日?リボーンさんのついで?リボーンさんのケーキは別に用意してありますし、沢田殿の誕生日のケーキは、明日また気合を入れて作ります」
あ、しまった。と言う風に、口を押さえるが、どうせばれるし、まぁ言いかと言う風にぺロッと舌を出して照れてみせた。
嘘とは思えないバジルの言葉に、今度はツナがきょとんとしてしまった。
「え?誕生日の…ケーキじゃないの?確かに、一本しかロウソク乗ってないけど。リボーンは三歳だっけ?」
じゃあなんでケーキなのか…?って顔のツナに、バジルはテレながら微笑んだ。
「記念日と言えば、ケーキかと思って」
「記念日って…何の記念日だっけ?」
「今日は初めて拙者と沢田殿が出会った日です」
それを聞いて、ツナは一瞬頭が真っ白になって、それから真っ赤になった。
「ご、ごめん。俺、何にも用意してなくて…」
自分の誕生日の事しか頭になかった自分が恥ずかしくなった。
そうだった、今日は初めてバジルと出会った日だった。
あんな劇的で忘れがたい出会いをしたのに、すっかり忘れていた自分が恥ずかしい。
「いいんです。拙者が勝手にやった事ですから。出会ってから一年、だからロウソクも一本。これから毎年この日に一本ずつロウソクを増やしたケーキで祝えたらいいですね」
無邪気に笑うバジルに、ツナはじゃあ明日は今日のとは別の誕生日プレゼントがもらえるかな?前回はボンゴレリングだったけど、今回はエンゲージリングだったりしてな。まだそんなわけないか。と一人ニヤニヤと照れてしまった。
そしてその後食べた、バジルの手作りの、和風・タラコケーキに、ツナは明日のプレゼントよりも明日のケーキの中身を心配する羽目になるのだった。
===============
すみません、あまり季節の変わり目関係ないというか、日が近かったので、無理やり誕生日にも絡めてしまいました。汗
後、ボンゴレ77とコミックスを交互に見て、勝手に10/13に出会ったと解釈しましたが、もしかしたら出会ったのは10/14かもしれない…(;´∀`)
最初は絶対13日だと思ってこのネタ作ったんすが、後で読み返したら、14日の方が濃いかも…でも前日に奈々がご馳走作ってて、リボーンの誕生日もあるのに「何で?」っておかしい気がして、奈々がご馳走作ったのは12と13続けてと言う事で一つお願いします。orzすんません、凄い無理やりな気がしてきた(;´∀`)
ええと、次のお題はサイトの背景にあわせまして「ハロウィン」でいかがでしょうか?(^ω^)
米犬さんから頂きましたお題の「季節の変わり目」のSSで、
ツナバジです。
ちょっと色々突っ込みどころがあるかと思いますが、後ほど(;´∀`)
==================
「くしゅんっ」
と、ツナがくしゃみをしたら、流しでごそごそしていたバジルが寄ってきた。
「大丈夫ですか?沢田殿。季節の変わり目で風邪をひきやすいですから、気をつけてください」
割烹着の前の部分で濡れた手を拭いて、大げさにツナの頭に手を置こうとするバジルの手をやんわり、大丈夫だよと断った。
9月はとっくに終わり、10月も半ば。もうさすがに半そでではいられず、長袖の服も段々と厚手のものに変わり始める時期だ。
しかしこの時分になると、ツナの関心は気温の事ではなくなる。
そんなツナの焦りにも似た期待をよそに、バジルは一旦台所を出ると、大き目の紙袋を手に戻ってきた。
「はい、沢田殿。拙者からのプレゼントです。本当は食事の時に渡そうと思っていたのですが…」
綺麗なラッピングのリボンの付いた、いかにも特別風の紙袋を渡されて、ツナは嬉しい気持ちと同時にちょっとガッカリしてしまった。
仕方ないとは分かっていても…
でもせっかくプレゼントを渡されて、そんな感情を態度に出すわけにも行かず、ツナは大げさに喜んでみせて、ラッピングをといた。
中からは、綿がこんもり詰まったちゃんちゃんこが出てきた。
「親方様から聞きました。日本の冬の、伝統のホームウエアだって。拙者の時には夏でしたから甚平でしたから」
日本の伝統に弱い彼が、夏の誕生日プレゼントに甚平を渡されて、いたく喜んで、一日中、寝るときも出かける時も着ていたのを微笑ましく思いだした。
だから俺にはちゃんちゃんこなんだ。同時に、期待もまた持ち上がった。
いや、分からないぞ。さっき俺がくしゃみをしたから、繰上げでこの防寒服を今日渡しただけかもしれない。
「これも…拙者から沢田殿にです…」
そう思ったツナの前に、バジルがおずおずとこぶりながらも生クリームがたっぷり掛かった手作りのホールケーキを出してきて、自分の危惧が確定になって、ツナはがっかりした。
真ん中に立っている一本のロウソクはさすがにツナの年齢にはかなり足りない。
先ほどからごそごそと作っていたのはこれだったんだ。
…さすがにケーキは前日に作らないよな…明日になったら生クリームも乾燥してくるし。
「あ、ありがとう。ついででも嬉しいよ…」
さすがに落胆の色を隠せず、声色と肩を落としたツナが、ケーキを受け取った。
今日は10月13日…
つまりリボーンの誕生日だ。
朝から家族たちはそのための準備に忙しい。
家族に誕生日が近いものが居る者の宿命で、片方の誕生日と一緒に済まされてしまう。
それは大概、誕生日が遅い者が早い者に一緒にされる。
今更誕生日を、主役として持ち上げられて、わざわざ家族に祝って欲しい年齢でもない。
はっきり言ってご馳走が食べられればそれだけでいい。
でも、バジルは…最近親密度の上がってきた彼だけはもしかして、リボーンと誕生日を一緒にせずに、個別で俺を祝ってくれるんじゃないかと淡い期待を抱いていたので、さすがに落胆した。
仕方ないか…
バジルに誕生日を祝ってもらえるのは素直に嬉しいし。
「ありがとう、バジル君。誕生日、祝ってくれるの嬉しいよ。たとえリボーンのついででも…」
バジルはきょとんとしてツナを見ている。
「誕生日?リボーンさんのついで?リボーンさんのケーキは別に用意してありますし、沢田殿の誕生日のケーキは、明日また気合を入れて作ります」
あ、しまった。と言う風に、口を押さえるが、どうせばれるし、まぁ言いかと言う風にぺロッと舌を出して照れてみせた。
嘘とは思えないバジルの言葉に、今度はツナがきょとんとしてしまった。
「え?誕生日の…ケーキじゃないの?確かに、一本しかロウソク乗ってないけど。リボーンは三歳だっけ?」
じゃあなんでケーキなのか…?って顔のツナに、バジルはテレながら微笑んだ。
「記念日と言えば、ケーキかと思って」
「記念日って…何の記念日だっけ?」
「今日は初めて拙者と沢田殿が出会った日です」
それを聞いて、ツナは一瞬頭が真っ白になって、それから真っ赤になった。
「ご、ごめん。俺、何にも用意してなくて…」
自分の誕生日の事しか頭になかった自分が恥ずかしくなった。
そうだった、今日は初めてバジルと出会った日だった。
あんな劇的で忘れがたい出会いをしたのに、すっかり忘れていた自分が恥ずかしい。
「いいんです。拙者が勝手にやった事ですから。出会ってから一年、だからロウソクも一本。これから毎年この日に一本ずつロウソクを増やしたケーキで祝えたらいいですね」
無邪気に笑うバジルに、ツナはじゃあ明日は今日のとは別の誕生日プレゼントがもらえるかな?前回はボンゴレリングだったけど、今回はエンゲージリングだったりしてな。まだそんなわけないか。と一人ニヤニヤと照れてしまった。
そしてその後食べた、バジルの手作りの、和風・タラコケーキに、ツナは明日のプレゼントよりも明日のケーキの中身を心配する羽目になるのだった。
===============
すみません、あまり季節の変わり目関係ないというか、日が近かったので、無理やり誕生日にも絡めてしまいました。汗
後、ボンゴレ77とコミックスを交互に見て、勝手に10/13に出会ったと解釈しましたが、もしかしたら出会ったのは10/14かもしれない…(;´∀`)
最初は絶対13日だと思ってこのネタ作ったんすが、後で読み返したら、14日の方が濃いかも…でも前日に奈々がご馳走作ってて、リボーンの誕生日もあるのに「何で?」っておかしい気がして、奈々がご馳走作ったのは12と13続けてと言う事で一つお願いします。orzすんません、凄い無理やりな気がしてきた(;´∀`)
ええと、次のお題はサイトの背景にあわせまして「ハロウィン」でいかがでしょうか?(^ω^)
遅くなり申し訳ありません;;食べ物大好きO型の米犬です。
今日はタイ米を食べました。ぱさぱさしてたのですが、チャーハンだったので美味しかったです。タピオカジャスミンミルクも美味しかったです。
食欲の秋!
==================
ぱき。ぱき。ぱき。ぱき。
静かな部屋で、唯一聞こえるのは単調な繰り返し。
ぱき。ぱき。ぱくり。ぱき。ぱき。もぐもぐ。
何の音って、バジルが甘栗の殻を剥く音。(と、偶につまみ食い)
バジルの座る机の上には、向かって右側に大量の甘栗があり、左側には既に剥き終えたものがお皿の中に無造作に転がっている。
バジルが甘栗を食べたのは去年が初めてだったが、その時にもとても美味しいものだと感動したものだ。
といって、今日こんなにも大量に甘栗が存在しているのは何もバジルが買って来たわけではなくて、奈々からのもらい物。
買ったり貰ったりと重なってしまって沢山甘栗があるから、ツっくんたちとみんなで食べてね。というのが奈々の伝言で、彼女はちびっ子たちを連れておでかけに行ってしまった。
そこでバジルは、ツナが戻るまでに甘栗の殻を剥いておくことに決めたのだ。
バジルは甘栗の殻剥きが大好きだが、去年門外顧問の仲間たちと食べた時にはみんな殻剥きを面倒臭がって食べなかったので、剥いておいた方がツナも喜ぶだろうかと思ってのこと。
それに今日は、雲雀に修行を付けに来ていたディーノも一緒に遊びに来る筈だ。
だから、と。
バジルはひたすら、甘栗を剥き続ける。偶に、12こに1つくらいはつまみ食いもするけれど。
きっと帰ってきたツナとディーノは、沢山の甘栗にびっくりするだろう。
でも、嫌がりはしない筈。だって、こんなに美味しいのだから。
ディーノはきっと甘栗の殻剥きも苦手だろうから、食べやすくなっていて喜ぶだろう。
バジルのことを良く、献身的過ぎるとか、貧欲だとか、多分良い意味で言ってくれる人は沢山居るけれど
実はバジルだって、そこまで人の為だけにいろんなことをやっているわけじゃあない。
だから今日のこの殻剥きだって、ツナやディーノがきっと喜んでくれるのが楽しみで、やっているのだ。喜んでくれる姿が見たくて、やっているだけのこと。
そして更に言えば
バジルは多分、人が彼に対して抱くよりもう少しだけ打算的で。
感謝してくれたら嬉しいなぁ。なんて、ちゃんと思っていたりもする。
勿論それにしたって他の人から言わせれば、貧欲だなぁと笑うのかもしれないけれど。
ぱき。ぱき。ぱき。
もうすぐ帰ってくるだろう2人が、美味しそうに甘栗を食べてくれる姿を想像しながら、バジルは甘栗の殻を剥き続ける。
それはディーノとツナが知らない、バジルの幸せな時間。
===============
甘栗とバジルでした。帰ってきたツナはあまりの量の甘栗に唖然としますが、バジルがあまりに嬉しそうなので突っ込めず。
でも美味しいので3人で仲良く食べます。
お次は・・・「季節の変わり目」で、お願いします!
うちの会社はまだ蝉が鳴いていて蚊取り線香も焚いているので完全に季節変わり損ねていますが・・・。
今日はタイ米を食べました。ぱさぱさしてたのですが、チャーハンだったので美味しかったです。タピオカジャスミンミルクも美味しかったです。
食欲の秋!
==================
ぱき。ぱき。ぱき。ぱき。
静かな部屋で、唯一聞こえるのは単調な繰り返し。
ぱき。ぱき。ぱくり。ぱき。ぱき。もぐもぐ。
何の音って、バジルが甘栗の殻を剥く音。(と、偶につまみ食い)
バジルの座る机の上には、向かって右側に大量の甘栗があり、左側には既に剥き終えたものがお皿の中に無造作に転がっている。
バジルが甘栗を食べたのは去年が初めてだったが、その時にもとても美味しいものだと感動したものだ。
といって、今日こんなにも大量に甘栗が存在しているのは何もバジルが買って来たわけではなくて、奈々からのもらい物。
買ったり貰ったりと重なってしまって沢山甘栗があるから、ツっくんたちとみんなで食べてね。というのが奈々の伝言で、彼女はちびっ子たちを連れておでかけに行ってしまった。
そこでバジルは、ツナが戻るまでに甘栗の殻を剥いておくことに決めたのだ。
バジルは甘栗の殻剥きが大好きだが、去年門外顧問の仲間たちと食べた時にはみんな殻剥きを面倒臭がって食べなかったので、剥いておいた方がツナも喜ぶだろうかと思ってのこと。
それに今日は、雲雀に修行を付けに来ていたディーノも一緒に遊びに来る筈だ。
だから、と。
バジルはひたすら、甘栗を剥き続ける。偶に、12こに1つくらいはつまみ食いもするけれど。
きっと帰ってきたツナとディーノは、沢山の甘栗にびっくりするだろう。
でも、嫌がりはしない筈。だって、こんなに美味しいのだから。
ディーノはきっと甘栗の殻剥きも苦手だろうから、食べやすくなっていて喜ぶだろう。
バジルのことを良く、献身的過ぎるとか、貧欲だとか、多分良い意味で言ってくれる人は沢山居るけれど
実はバジルだって、そこまで人の為だけにいろんなことをやっているわけじゃあない。
だから今日のこの殻剥きだって、ツナやディーノがきっと喜んでくれるのが楽しみで、やっているのだ。喜んでくれる姿が見たくて、やっているだけのこと。
そして更に言えば
バジルは多分、人が彼に対して抱くよりもう少しだけ打算的で。
感謝してくれたら嬉しいなぁ。なんて、ちゃんと思っていたりもする。
勿論それにしたって他の人から言わせれば、貧欲だなぁと笑うのかもしれないけれど。
ぱき。ぱき。ぱき。
もうすぐ帰ってくるだろう2人が、美味しそうに甘栗を食べてくれる姿を想像しながら、バジルは甘栗の殻を剥き続ける。
それはディーノとツナが知らない、バジルの幸せな時間。
===============
甘栗とバジルでした。帰ってきたツナはあまりの量の甘栗に唖然としますが、バジルがあまりに嬉しそうなので突っ込めず。
でも美味しいので3人で仲良く食べます。
お次は・・・「季節の変わり目」で、お願いします!
うちの会社はまだ蝉が鳴いていて蚊取り線香も焚いているので完全に季節変わり損ねていますが・・・。
ちゃーっす。
ちゃっちゃちゃーっす。
ふみやですよおおおおお。
カリ。さん、心配しないで!!
バトンしっかり受け取りました~!
風流になるかどうかはわかりませんが…
吟じます!
―――――
秋の夜長。
このところ空気が澄んで、
空が遠いように感じる。
朝顔は花をつけなくなってしまった。
無花果が、色づいている。
山本武は
秋の野球大会の練習で
いつも帰りが遅くなってしまう。
父は父で、仕事があるので
特に不都合は無かったが、
ツナや獄寺と一緒になる時間が短くなったのが
少し寂しい。
この大会が終われば
高校受験だから、
山本は悔いを残したくなかった。
野球推薦の自分はともかく、
勉強のために野球を諦めなければならなくなった
チームメイトたちのために。
妬まれているのも、
知っている。
山本は努力を表に出すような人間ではなかったので、
野球を続けられなくなったことが
自分の所為だと思わない人間から、
妬まれる。
山本は気付かない振りをした。
気温の下降が
人の気持ちを憂鬱にさせる。
9月26日。
その日の練習を終わらせた山本は、
腹が減って仕方が無かったので
家に帰る前に
肉まんでも買って帰ろうと思い
学校と家との中間にあるコンビニに向かった。
すると、
コンビニ少し手前で、
見知った顔に気付いた。
「あ、山本殿、よかった間に合って。」
ひらひらと手を振るのは、
バジル。
左手には風呂敷を携えている。
「これ、沢田殿の母上殿からです。
毎日遅くまでご苦労様、と。」
街灯に照らされて陰影の濃い笑顔を
山本は少しむず痒い気持ちで、見た。
「なぁ、バジル、」
「はい、」
「ちょっとウチ寄ってかね、」
風呂敷の中身はパウンドケーキで、
オレンジピールとアールグレイの茶葉が入っていた。
山本はそれを丸齧りにしながら歩き、
バジルは三歩後を追って歩く。
「美味いな、コレ。」
「ええ、拙者がイタリアでよく作っているものです。」
「え、これバジルが作ったのか、」
「いえ、レシピは拙者ので、
作ったのは母上殿です。」
なぁんだ、と
山本は少し気落ちした。
程なくして山本宅に到着して、
竹寿司を経由して部屋に入る。
「ちょーっと待っててくれな、」
山本の部屋は雑然としていて、
漫画雑誌やら脱いだ服やらが散乱している。
部屋の入り口に待たされているバジルは苦笑した。
「おしっ、いいぜ、入れよ。」
適当に床にあったものを端に寄せた山本は、
バジルを部屋に招き入れた。
しかし、
部屋にかかっている時計を見たバジルは
「あっ、もうこんな時間なのですね。」
と言って帰ろうとした。
「…何で帰んだ、」
「あの…、沢田殿が、
待っててくださってますから、」
山本はバジルの腕を掴んだ。
「大丈夫だって、電話しとくから。」
「でも沢田殿が…」
ツナ、ツナ、そんなにオレよりツナが大事かよ、
とは言わない。
山本は形状記憶の笑顔でバジルを部屋に引き入れた。
「たまにはいんじゃね、
秋の夜は長いって言うしな、」
「え、秋って夜が長いのですか、」
「いや…知んねーけど
“秋の夜長”って言葉あるぜ、」
そうなんですか、
ステキです、
…バジルは呑気だな、と山本は思った。
多分、
変な意味で
山本はバジルのことが好きだ。
それに気付かないバジルを
こんな時間に部屋に連れ込んだりして、
山本は我ながら自分は非道い人間だなぁと思う。
「何か食う、」
床に散らばるエロ本に気をとられているバジルの顔を
山本は覗き込んだ。
「あっ…、いえ、…拙者は食べてきましたので、」
「あ、そ、」
暫く沈黙になる。
少しバジルの顔が赤い。
それをどう解釈していいのかわからない山本は、
この後自分はバジルをどうしたらいいのか逡巡する。
「…やっぱり、
拙者帰ります、」
困ったような顔をしてそう言うバジルの顔を見る山本の目は
笑っていない。
「ツナが待ってるからか、」
…努力して勝ち得た野球の道であっても。
心から信頼する友であっても。
「はい、あの、山本殿にも悪いですし、」
じゃあ最初っからついてくんなよ、
とは言わない。
「…送ってくぜ、チャリ、あっから。」
夜半近い空は澄んで
星は涙のように輝いた。
山本はバジルが好きだ。
だけど、
バジルは
山本のためのものではなかった。
努力して手に入れた皆の羨望も、
心から笑いあえる友の存在も、
何も
山本のためのものではなかった。
沢田家からの帰り道、
自転車で切る風の冷たさは
山本の哀惜を溢れさせ、
少しだけ、
抱えきれなくなって、
泣いた。
―――――
ごめんねごめんねー。
秋の夜長とあんまり関係なくなっちゃいました…。
しかも
バジリ庵なのに
山本視点…
(こないだのもヒバリさん視点でしたが…)。
そういえば、
バジリ庵バックヤードができたので
皆さん参加してくださると嬉しいです!
まだ案内が届いてないよ~、
という方は
ご一報ください!
それでは、
次はこめさんですね!
お題は…
『食欲の秋』
でお願いします!
食べ物をおいしそうに食べる
こめさんの姿を思い出しつつ…。
ちゃっちゃちゃーっす。
ふみやですよおおおおお。
カリ。さん、心配しないで!!
バトンしっかり受け取りました~!
風流になるかどうかはわかりませんが…
吟じます!
―――――
秋の夜長。
このところ空気が澄んで、
空が遠いように感じる。
朝顔は花をつけなくなってしまった。
無花果が、色づいている。
山本武は
秋の野球大会の練習で
いつも帰りが遅くなってしまう。
父は父で、仕事があるので
特に不都合は無かったが、
ツナや獄寺と一緒になる時間が短くなったのが
少し寂しい。
この大会が終われば
高校受験だから、
山本は悔いを残したくなかった。
野球推薦の自分はともかく、
勉強のために野球を諦めなければならなくなった
チームメイトたちのために。
妬まれているのも、
知っている。
山本は努力を表に出すような人間ではなかったので、
野球を続けられなくなったことが
自分の所為だと思わない人間から、
妬まれる。
山本は気付かない振りをした。
気温の下降が
人の気持ちを憂鬱にさせる。
9月26日。
その日の練習を終わらせた山本は、
腹が減って仕方が無かったので
家に帰る前に
肉まんでも買って帰ろうと思い
学校と家との中間にあるコンビニに向かった。
すると、
コンビニ少し手前で、
見知った顔に気付いた。
「あ、山本殿、よかった間に合って。」
ひらひらと手を振るのは、
バジル。
左手には風呂敷を携えている。
「これ、沢田殿の母上殿からです。
毎日遅くまでご苦労様、と。」
街灯に照らされて陰影の濃い笑顔を
山本は少しむず痒い気持ちで、見た。
「なぁ、バジル、」
「はい、」
「ちょっとウチ寄ってかね、」
風呂敷の中身はパウンドケーキで、
オレンジピールとアールグレイの茶葉が入っていた。
山本はそれを丸齧りにしながら歩き、
バジルは三歩後を追って歩く。
「美味いな、コレ。」
「ええ、拙者がイタリアでよく作っているものです。」
「え、これバジルが作ったのか、」
「いえ、レシピは拙者ので、
作ったのは母上殿です。」
なぁんだ、と
山本は少し気落ちした。
程なくして山本宅に到着して、
竹寿司を経由して部屋に入る。
「ちょーっと待っててくれな、」
山本の部屋は雑然としていて、
漫画雑誌やら脱いだ服やらが散乱している。
部屋の入り口に待たされているバジルは苦笑した。
「おしっ、いいぜ、入れよ。」
適当に床にあったものを端に寄せた山本は、
バジルを部屋に招き入れた。
しかし、
部屋にかかっている時計を見たバジルは
「あっ、もうこんな時間なのですね。」
と言って帰ろうとした。
「…何で帰んだ、」
「あの…、沢田殿が、
待っててくださってますから、」
山本はバジルの腕を掴んだ。
「大丈夫だって、電話しとくから。」
「でも沢田殿が…」
ツナ、ツナ、そんなにオレよりツナが大事かよ、
とは言わない。
山本は形状記憶の笑顔でバジルを部屋に引き入れた。
「たまにはいんじゃね、
秋の夜は長いって言うしな、」
「え、秋って夜が長いのですか、」
「いや…知んねーけど
“秋の夜長”って言葉あるぜ、」
そうなんですか、
ステキです、
…バジルは呑気だな、と山本は思った。
多分、
変な意味で
山本はバジルのことが好きだ。
それに気付かないバジルを
こんな時間に部屋に連れ込んだりして、
山本は我ながら自分は非道い人間だなぁと思う。
「何か食う、」
床に散らばるエロ本に気をとられているバジルの顔を
山本は覗き込んだ。
「あっ…、いえ、…拙者は食べてきましたので、」
「あ、そ、」
暫く沈黙になる。
少しバジルの顔が赤い。
それをどう解釈していいのかわからない山本は、
この後自分はバジルをどうしたらいいのか逡巡する。
「…やっぱり、
拙者帰ります、」
困ったような顔をしてそう言うバジルの顔を見る山本の目は
笑っていない。
「ツナが待ってるからか、」
…努力して勝ち得た野球の道であっても。
心から信頼する友であっても。
「はい、あの、山本殿にも悪いですし、」
じゃあ最初っからついてくんなよ、
とは言わない。
「…送ってくぜ、チャリ、あっから。」
夜半近い空は澄んで
星は涙のように輝いた。
山本はバジルが好きだ。
だけど、
バジルは
山本のためのものではなかった。
努力して手に入れた皆の羨望も、
心から笑いあえる友の存在も、
何も
山本のためのものではなかった。
沢田家からの帰り道、
自転車で切る風の冷たさは
山本の哀惜を溢れさせ、
少しだけ、
抱えきれなくなって、
泣いた。
―――――
ごめんねごめんねー。
秋の夜長とあんまり関係なくなっちゃいました…。
しかも
バジリ庵なのに
山本視点…
(こないだのもヒバリさん視点でしたが…)。
そういえば、
バジリ庵バックヤードができたので
皆さん参加してくださると嬉しいです!
まだ案内が届いてないよ~、
という方は
ご一報ください!
それでは、
次はこめさんですね!
お題は…
『食欲の秋』
でお願いします!
食べ物をおいしそうに食べる
こめさんの姿を思い出しつつ…。
ご無沙汰しております!かり。です!
お時間頂いていたのですが、ちょっと時間が取れそうにないので今回はパスさせていただきます。
せっかくの素敵な御題でしたのにもったいない。。申し訳ないです。m(_ _*)m
ふみやさん、まひろさんからの「秋の夜長」で風流なSSを一発かましちゃってください。楽しみにしております。
かり。
お時間頂いていたのですが、ちょっと時間が取れそうにないので今回はパスさせていただきます。
せっかくの素敵な御題でしたのにもったいない。。申し訳ないです。m(_ _*)m
ふみやさん、まひろさんからの「秋の夜長」で風流なSSを一発かましちゃってください。楽しみにしております。
かり。