日曜にやべっちFCを見逃して
内田篤人君(サッカー選手)のなべっちFCを見られなかったことに
激しく抑うつ感を感じているふみやです。
私が世界で一番好きなサッカー選手である
ハビエル・サビオラの次くらい、
いや、
もしかしたら超えたかもしんねぇ
内田君のなべっちFCを観る方法を
誰か教えてください…泣。
(私の趣味はサッカー観戦です。)
さて!
カリ。さんの麗しい絵を拝見して
「ふ~ん、
次のお題は木枯らしか。
誰だっけ?」
と思って3日ぐらい過ぎましたが
私でした!!!!!
アブねえです、
スルーしまくるところでした。
てなわけで。
参る!!
―――――
木枯らしに抱かれて
ごう、
と
楓の葉が舞った。
ばたばたと
羽織ったジャケットの裾が踊る。
もう前の釦を閉めなければ寒かったのだが、
身体が動かなかった。
斜陽。
茜色の西日も
寒さのために心なしか仄白く、
バジルの眸の色を
濁った光に変えた。
午後三時。
沢田たちの学校が終わるので
バジルは迎えに急いだ。
最近曇り空が続いていたのだが、
今日は小春日和でぽかぽかと暖かい。
でも、
今日は日暮れは寒くなるから、
と、
奈々にマフラーを持たされていた。
学校に到着すると、
生徒たちがばらばらと出てき始めたところで、
バジルは沢田たちのクラスが今終了であるところを
校門のところから確認し、
間に合ったことに安堵し門柱に身を寄せた。
「ありがとー、バジル君、」
沢田はマフラーを受け取りながら
左手に持っていた鞄を肩にかけた。
「新入りにしては気が利いてるな。」
「あーあ、オレもマフラー持ってくりゃよかった、」
いつもの面々。
バジルは笑みをこぼす。
ここのところ日の入りが早く、
もう陽が傾きかけている。
それに伴うかのように、
北風が吹き始めていた。
「寒くなってきましたね、
ホットレモネード作ってあるので
帰ったら飲みましょう、」
もじもじしながらバジルは沢田の袖を握った。
「おっ、
何か美味そーだな、
オレにも飲ましてくれよ、」
山本の言葉に、
バジルは少し困ったように
「えっ…、
あの……っ、」
と視線を泳がせた。
「どうしたの、」
「その…
沢田殿の分しか…、」
ごにょごにょと口の中で言う。
「ええっ、
じゃあオレいいよ、
山本飲みなよ、」
沢田の言葉に、
バジルは必死な目で山本を見てしまった。
多分、
自分で気付かないくらい、
動揺を表に出して。
それを見た山本は、
一瞬怯んだが、
いつもの太陽のような笑顔で
「バジルって、
本当にツナのこと好きなのな、」
と言った。
その言葉を聞いたバジルは、
今度は本当に動揺した。
好き、
というのは間違いない。
しかし、
今感じた後ろめたさは何だろう。
バジルがもし山本のことを好きかと訊かれたら
好きと答える。
獄寺のことも好きだし、
奈々のことも
ランボのことも
イーピンのことも好き。
しかし、
それと等しく沢田のことが好きか、
と訊かれたら、
どうだろう。
例えば
家族として沢田のことが好き、
というのは
単なる欺瞞である。
先程の山本の言葉に、
バジルは自分を内観してしまった。
他意など無いであろう言葉に、
ここまで揺るぐ自分に驚いた。
「あ…っ、
いえ、
それは…
沢田殿のことは好きですが、
その…、」
「ああ、
何だ、
オレの方が十代目のことをお慕いしているはずだ、」
獄寺の奇妙な対抗意識のおかげで
何とかバジルは切り抜けることができた。
何故だか、
バジルは
自分が沢田のことを好きだと沢田に知れてしまったら
この場にはいられなくなるような気がしていた。
商店街に差し掛かろうという路地で、
一行は笹川京子と三浦ハルに呼び止められた。
「ツナ君、
ラ・ナミモリーヌで
平日限定のケーキバイキングがあるの。
皆で行かない、」
沢田が京子のことを好きなのは周知のことで、
この時も沢田の目の色が変わったのを
バジルは見逃さなかった。
二つ返事で同行を申し出ようとした沢田に、
山本が一言釘を刺した。
「ツナ、
レモネード。」
沢田ははっとして、
思いっきり困った顔をして
京子とバジルの顔を見比べる。
バジルは、
黙ってこのまま沢田に京子を選ばれるよりは、
自分から譲ったほうが自分が傷つかないと判断した。
「拙者はこのまま帰りますから、
沢田殿たちは
ケーキを楽しんできてください。」
バジルは、
一人商店街を抜けて
帰路についた。
楓の並木が寒々しい。
かさかさに干からびた落葉を
順番に踏みしめた。
ごう、
と
木枯らしが吹きすさび、
曖昧で甘美な季節の終わりを告げている。
茜色は濃紺に飲み込まれて、
バジルの後姿を追いかけて隠した。
―――――
小泉今日子さんの名曲、
木枯らしに抱かれてを思い出したので、
それに沿って話を考えました。
聞いたことないって方は
You Tubeとかで検索だ!!
何かこのふわっふわした気持ちを
山本だけは理解してくれてる気がします。
いつもながら
まとまりのない文章で申し訳ない~涙。
んでは、
次のお題は…
サンクスギビングが近いので、
『感謝』
でどうでしょう?
ではこめさん
頑張ってください!!
ちゃっちゃちゃーっす。
ふみやですよおおおおお。
カリ。さん、心配しないで!!
バトンしっかり受け取りました~!
風流になるかどうかはわかりませんが…
吟じます!
―――――
秋の夜長。
このところ空気が澄んで、
空が遠いように感じる。
朝顔は花をつけなくなってしまった。
無花果が、色づいている。
山本武は
秋の野球大会の練習で
いつも帰りが遅くなってしまう。
父は父で、仕事があるので
特に不都合は無かったが、
ツナや獄寺と一緒になる時間が短くなったのが
少し寂しい。
この大会が終われば
高校受験だから、
山本は悔いを残したくなかった。
野球推薦の自分はともかく、
勉強のために野球を諦めなければならなくなった
チームメイトたちのために。
妬まれているのも、
知っている。
山本は努力を表に出すような人間ではなかったので、
野球を続けられなくなったことが
自分の所為だと思わない人間から、
妬まれる。
山本は気付かない振りをした。
気温の下降が
人の気持ちを憂鬱にさせる。
9月26日。
その日の練習を終わらせた山本は、
腹が減って仕方が無かったので
家に帰る前に
肉まんでも買って帰ろうと思い
学校と家との中間にあるコンビニに向かった。
すると、
コンビニ少し手前で、
見知った顔に気付いた。
「あ、山本殿、よかった間に合って。」
ひらひらと手を振るのは、
バジル。
左手には風呂敷を携えている。
「これ、沢田殿の母上殿からです。
毎日遅くまでご苦労様、と。」
街灯に照らされて陰影の濃い笑顔を
山本は少しむず痒い気持ちで、見た。
「なぁ、バジル、」
「はい、」
「ちょっとウチ寄ってかね、」
風呂敷の中身はパウンドケーキで、
オレンジピールとアールグレイの茶葉が入っていた。
山本はそれを丸齧りにしながら歩き、
バジルは三歩後を追って歩く。
「美味いな、コレ。」
「ええ、拙者がイタリアでよく作っているものです。」
「え、これバジルが作ったのか、」
「いえ、レシピは拙者ので、
作ったのは母上殿です。」
なぁんだ、と
山本は少し気落ちした。
程なくして山本宅に到着して、
竹寿司を経由して部屋に入る。
「ちょーっと待っててくれな、」
山本の部屋は雑然としていて、
漫画雑誌やら脱いだ服やらが散乱している。
部屋の入り口に待たされているバジルは苦笑した。
「おしっ、いいぜ、入れよ。」
適当に床にあったものを端に寄せた山本は、
バジルを部屋に招き入れた。
しかし、
部屋にかかっている時計を見たバジルは
「あっ、もうこんな時間なのですね。」
と言って帰ろうとした。
「…何で帰んだ、」
「あの…、沢田殿が、
待っててくださってますから、」
山本はバジルの腕を掴んだ。
「大丈夫だって、電話しとくから。」
「でも沢田殿が…」
ツナ、ツナ、そんなにオレよりツナが大事かよ、
とは言わない。
山本は形状記憶の笑顔でバジルを部屋に引き入れた。
「たまにはいんじゃね、
秋の夜は長いって言うしな、」
「え、秋って夜が長いのですか、」
「いや…知んねーけど
“秋の夜長”って言葉あるぜ、」
そうなんですか、
ステキです、
…バジルは呑気だな、と山本は思った。
多分、
変な意味で
山本はバジルのことが好きだ。
それに気付かないバジルを
こんな時間に部屋に連れ込んだりして、
山本は我ながら自分は非道い人間だなぁと思う。
「何か食う、」
床に散らばるエロ本に気をとられているバジルの顔を
山本は覗き込んだ。
「あっ…、いえ、…拙者は食べてきましたので、」
「あ、そ、」
暫く沈黙になる。
少しバジルの顔が赤い。
それをどう解釈していいのかわからない山本は、
この後自分はバジルをどうしたらいいのか逡巡する。
「…やっぱり、
拙者帰ります、」
困ったような顔をしてそう言うバジルの顔を見る山本の目は
笑っていない。
「ツナが待ってるからか、」
…努力して勝ち得た野球の道であっても。
心から信頼する友であっても。
「はい、あの、山本殿にも悪いですし、」
じゃあ最初っからついてくんなよ、
とは言わない。
「…送ってくぜ、チャリ、あっから。」
夜半近い空は澄んで
星は涙のように輝いた。
山本はバジルが好きだ。
だけど、
バジルは
山本のためのものではなかった。
努力して手に入れた皆の羨望も、
心から笑いあえる友の存在も、
何も
山本のためのものではなかった。
沢田家からの帰り道、
自転車で切る風の冷たさは
山本の哀惜を溢れさせ、
少しだけ、
抱えきれなくなって、
泣いた。
―――――
ごめんねごめんねー。
秋の夜長とあんまり関係なくなっちゃいました…。
しかも
バジリ庵なのに
山本視点…
(こないだのもヒバリさん視点でしたが…)。
そういえば、
バジリ庵バックヤードができたので
皆さん参加してくださると嬉しいです!
まだ案内が届いてないよ~、
という方は
ご一報ください!
それでは、
次はこめさんですね!
お題は…
『食欲の秋』
でお願いします!
食べ物をおいしそうに食べる
こめさんの姿を思い出しつつ…。
温帯低気圧こと
夏女、ふみやです。
夏、
エンジョイしてますよ!!
365日が夏休み~♪
太陽は沈まない~♪
夏コミは
各方面の方々
本当にありがとうございました!!
おかげで楽しかったです!!
では。
お題『夏模様』いきますね~!
―――
夏模様。
雲雀恭弥は自宅に引きこもっていた。
夏はあんまり好きではない。
縁側に扇風機を持ち込んで
アイスキャンデーを舐めながら
たらいに水を張って足を浸し、
ひたすら時間が過ぎるのを待つのが
彼の夏の日課だ。
しかし今日は来客の予定があった。
雲雀の丹精した睡蓮を見たいのだという。
そのような私事を知っているような人間は
この世に唯一人。
「こんにちは、恭弥殿、」
生垣の外から声がする。
バジルだ。
「門は開いてるから、
入っておいで。」
バジルが喜ぶだろうと思って
雲雀は浴衣姿だ。
菓子屋で購った冷やし飴もある。
今日見せる睡蓮は
めだか入りのとっておき。
雲雀は物事に関して無頓着だが
バジルを幸福にするための苦労は厭わない。
おずおずと門を開き入ってきたバジルは
期待通り
雲雀の姿を見るなり歓声を上げた。
「お似合いです、恭弥殿。」
雲雀の定位置
縁側にバジルを上げると、
雲雀は冷やし飴と水羊羹を盆に載せてバジルをもてなす。
麦茶だと思って冷やし飴を口にしたバジルは
驚いて一瞬飲み込めず、
目で雲雀に
「何ですかこれは」
と訴えた。
「冷やし飴。
生姜の味がするでしょう。」
ようやっと飲み込んだバジルは
「ヒヤシアメ、美味しいです、」
と破顔し、
それを見た雲雀はとても満ちたりた気分になった。
暫くくだらないことを話し、
そうそうそうだった、
という風で睡蓮を見ようということになり
雲雀は自室から
ギヤマンで出来た一抱えもある鉢を持ってきた。
鉢の表は切子になっており、
見た目にも涼しげだ。
「綺麗な入れ物ですね。」
バジルは目を輝かせ、
鉢を覗き込む。
中では
睡蓮と藻とめだかとが
小さな世界を作っていた。
幼児の掌ほどの睡蓮の花が
仄白く開いている。
「今年、
夏らしいものを育てたくてね。
とりあえず形から入ってみた。」
「さすが恭弥殿です、
ステキです、」
興奮気味に睡蓮を眺めるバジルを、
雲雀は愛おしく思ったのだった。
それからまた話が膨らんで
時間はあっという間に経ち、
夕刻、
虫の音の聞こえる頃になった。
「それでは、拙者、
そろそろお暇しなければ。」
からっと言うバジルに、
雲雀は少し悔しくなって。
右手でバジルを引き寄せると
額に軽く接吻をした。
雲雀の顔は黄昏に飲まれて
もう表情は読み取れない。
バジルは少し困って
押し黙ってしまった。
「…また来てくれる、」
恨めしそうにそう言う雲雀の頬を、
ふわりと触れ。
「恭弥殿がご迷惑でなければ。」
少し汗ばんだ雲雀の胸元に、
顔を埋めた。
濃紺の夜空。
眩く瞬く空の星と
辺りに染み入る日暮の声に
雲雀は
次はどうやってバジルを喜ばせようと
思いを馳せるのであった。
―――
何か
晩夏って感じになりましたね!
まとまり無くてすみませんー泣。
お次はこめさん!!
お題は…う~ん…そうですね…
『水辺』で!
残暑が厳しゅうございますが
皆様ご自愛を!
ホント久々ですね!
皆さん夏コミの予定はどうなってますか!?
私はサイトの再録+αを出しますよ!
今その原稿をぺそぺそ頑張ってます…。
では、まひろさんからのお題、
“パラダイス”
行きますね!!
―――
パラダイス
「沢田殿、
拙者、
しゃぶしゃぶというものを
食べてみたいです、」
薄青色の眸を
キラッキラに輝かせながら
バジル少年は沢田少年に詰め寄った。
其の姿はまるで主人を見詰る忠実な番犬のようで
視線を一身に浴びる沢田綱吉は
少し困りながらも
バジル少年を可愛いなぁと思う。
「しゃぶしゃぶかぁ…。
オレあんま金持ってないから
食べ放題の店でいいかな、」
でれでれする沢田に
バジルは見えない尻尾フル回転で
「ありがとうございますっ、」
と甘えた。
というわけで、
一番近い繁華街で
学生たちがよく利用するしゃぶしゃぶ食べ放題の店に向かう二人。
家を出るまでが大変で、
ランボが付いて来たがるし
(どこからともなくやってきた)獄寺君がお供しますとうるさいし
奈々に小遣いをもらうときに軽く愚痴られるし
とにかく何もかもを振り切って家を出たのだが
一番意味がわからなかったのが
バジル君がビアンキに借りた
ミニスカートを穿いて出てきたことだった。
沢田は一瞬クエスチョンマークでいっぱいになったが
可愛いからいいか、
という
鼻の下を伸ばした思考回路で
その辺、
流した。
安さが売りの食べ放題店に到着し、
順番を待つこと30分。
やっとのことで店内に案内された二人は
健康優良児らしく
牛肉コースをセレクトし、
お湯が沸くのを待った。
「これがしゃぶしゃぶなんですね、」
「うん、お肉をこのお湯にくぐらせて
軽く火が通ったら
たれをつけて食べるの。」
美脚の可愛い恋人を横に、
かなりの優越感に浸る沢田綱吉。
可愛いだろ、
オレの彼女
可愛いだろ。
厳密には彼氏…、
というのだろうが
バジル君は可愛いので彼女でいいだろう、
という単純な沢田。
あまりにでれでれしすぎて、
手元を狂わせて
おしぼりを床に落としてしまった。
「あ…、
代わりを持ってきてもらわなきゃ、」
「拙者拾います。」
「いいよバジル君、
店員さんが拾ってくれる…
っておーーーーーーーいっ、」
目玉が飛び出るほど驚愕する沢田綱吉。
彼が目にした光景は、
ミニスカートから露わになった
バジル君の可愛いお尻であった。
「何でパンツはいてないのーっ、」
「え、だって
親方様が
しゃぶしゃぶを食べるときは
このスタイルじゃなきゃいけないって…、」
「また間違った知識信じてるーっ、」
沢田綱吉は思った。
親父、グッジョブと。
というわけで、
バジル少年の初しゃぶしゃぶと
沢田少年の初ノーパンしゃぶしゃぶは
沢田少年の脳内が
パラダイスになって終了しましたとさ。
―――
パラダイスと言われて
モ○ーパラ(モーモ○パラダイス)
しか思いつきませんでした…。
モ○パラといえばしゃぶしゃぶ!
しゃぶしゃぶといえば
ノーパンしゃぶしゃぶ!!!
というアホなお話でございました。
それでは、
お次はこめさん。
お題は
『副都心線』
で!
ちょっとむずかしいでしょうか…?
難しかったら
『地下鉄』
でも可です!
それではよろしくお願いします~!
遅くなって申し訳ないです!!
みんなのあなたです。
お題は青…。
無い頭を捻って
頑張ります!!
―――
青色万華鏡。
空は何時もの様に
はりはりと音を立てながら
地球の周りを
ぐるり回転した。
科学者の言い分によると
地球が空の中をぐるぐる回転しているらしいが
そんなのは宇宙規模の話。
地球で息をしている生き物は
みな等しく空は回転するものと
そういう風に見えているのだから仕様が無いのだと思っていた。
此処に、
バジルという少年が居た。
彼は地べたに寝っ転がって
地球というものが
“回っている”
のだという神秘を
突き止めようとしていた。
幼い彼に
自然科学は難しかった。
しかし
彼の通う寄宿学校は
彼を置いて中等部編入の試験が淡々と進められており、
分数の割り算や
因数分解で躓いているバジル少年のことなんか
だぁれも見向きもしなかった。
なのでバジル少年は
自然科学を実地で理解しようと
半ば自棄になってこうして寝っ転がっているのだ。
「おい、カス、寝転がってて
数学の一問でも解けるのか。」
同級生のザンザスが鼻で嗤いながら
バジル少年の頭を靴先で突っつく。
優等生のザンザスは
いつだって嫌味しか言わない。
バジルは彼が嫌いだった。
思いっきりしかめっ面を向けてやって
勢い良く起き上がった。
「お前の知ることではない。
どこかへ行け。
どうせお前は拙者がぼんくらなのが面白いだけだろう。」
ふいと顔を背ける。
「冷たくするなよ、
感じちまう。」
初等部の餓鬼のくせに
嫌なことを言う。
「地球の自転が分からんなぞ、
お前、
どこの時代の堅物だ。
俺が手取り足取り教えてやるよ。」
せっかく起き上がったバジルを、
ザンザスはがしと掴んで押し倒す。
「お前なんぞに教えてもらわんでも、
理解してみせる。」
ザンザスの腕の下で
バジルは囀った。
頑張って声を荒げているのが分かる。
分かるのだが、
どうにもこの上ずったボーイソプラノが
誘っているように聞こえるのは
ザンザスの脳みそが半ば爛れている所為。
「いいか、
空が地球の周りを回ってんじゃない。
地球が回ってるから空が動いて見えんだよ。」
既に声変わりを終えた熱っぽい声が
吐息と共にバジルの下顎を掠めた。
バジルは必死に顔を背け
生ぬるいザンザスの囁きを避けるのだが
鼓膜は敏感に熱を感じ取る。
「地球が回ってたら…、
だって…、
拙者たちは…、
地面に…立って…いられない。」
冷静さを失いかけたバジルは
息を上げながらやっとのことで反論する。
「それは…な、
慣性の法則ってのが働いててな…、」
熱い舌をバジルの耳元に這わせながら
ザンザスは律儀に疑問に答える。
バジルはそれどころではない。
「もう…っ、
やめろザンザスっ、
何がしたいんだお前は、」
バジルはザンザスの胸に手を当て、
精一杯の抵抗というていで
一生懸命自分からザンザスを引き離した。
「地球が回ってるっての、
体感させてやるよ。」
言うが早いか、
ザンザスはバジルの唇に噛み付いた。
容赦なく唇を吸い、
舌を貪り、
上口蓋をなぞる。
バジルは眩暈がした。
青い空が流転する。
ぐるぐるまわる。
ぐるぐるまわる。
青い色が
万華鏡のように
からからと
めまぐるしく姿を変えながらひたすら回るのを、
バジルは確かに見た。
地球は回っている。
ザンザスの唇に解放されたバジルは
未だ地面が回っているのを感じていた。
ぼーっとする頭で、
「な、
地球、
回ってただろ、」
という
シニカルなザンザスの呟きを聞く。
空は回る。
地球が回っているゆえに。
バジル少年は
今度のテストは楽勝だぁ、
と思いながら
右手の人差し指で唇をなぞった。
―――
えーっと…
お題からかけ離れてる…
とかいう声は聞かないように私は貝になる…。
一応
青=地球
という正義の元に戦ったのですが
あえなく惨敗。
誰か私に文才をください。
それでは!
次はこめさんですね!
お題は…
“Change the World”
でお願いします!
大分暖かくなってきましたね!
お風邪など召されぬよう、
春のファッションを楽しみましょう!